研究成果の概要 |
網羅的遺伝子発現解析を用いて、上皮型中皮腫と肺腺癌で,そのmRNA発現の差が目立つ遺伝子を見いだし、その遺伝子産物に対する抗体を用いて中皮腫、肺腺癌を染色して,それらの感度、特異度を明らかにすることによって、鑑別診断に有用な抗体を明らかにした、その結果、中皮腫に高発現を示した遺伝子として、DAB2, Intelectin-1, SOX6, PRG4, Annexin-8が指摘され、肺腺癌により高発現を示した遺伝子として、MUC4, MUC21が挙げられた。これらの新規マーカーは、上皮型中皮腫と肺腺癌の鑑別診断に応用することが可能であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中皮腫の病理診断は各種抗体を用いて行うが、現在用いられている抗体のみでは鑑別診断が困難な場合がある。そこで、網羅的遺伝子発現解析を基本にして、鑑別診断に有用なマーカーを見いだした。その結果、中皮腫ではDAB2, Intelectin-1, SOX6, PRG4, Annexin-8が、 肺腺癌ではMUC4, MUC21が発現が有意に高いことが明らかとなり、これら新規マーカーが、中皮腫と肺腺癌の鑑別診断に利用可能であることが示された。
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