研究課題
hTERT についてT細胞リンパ腫でのpromoter変異、タンパク発現頻度、また病態への影響について検討してきた。これまでに、PTCL-NOS 40個の DNAサンプルの hTERT promoter 領域の Direct Sequence で、2個のサンプルで、hTERT promoter 変異が存在した。hTERT promoter C250 (-146) に既存の変異があったものは、また変異型 CCR4 も発現して、ATLLとの共通点を持っていた。 しかし、hTERT promoter で変異を持つPTCL-NOS は、わずかだった。hTERTのタンパク発現に関しては、PTCL-NOS のtissue microarray (TMA)を用いて、anti-hTERT 抗体(rabbit monoclonal)で免疫染色を行い、73例中8例が陽性であった。hTERT promoter 領域C250(-146)に変異のあったサンプルのみ、hTERT陽性で、-112変異は、陰性だった。また、AITL (angioimmunoblastic T-cell lymphoma) でも、TMA 解析を行い、49例中15例が、hTERTタンパクを発現陽性だった。49例中21例のpromoter 領域のsequence解析では、変異はなかった。また、ATLLでも、TMA解析を行ったが、78例中4例が弱陽性、4例が陽性だった。 hTERT 発現について、Kaplan-Meier法で比較解析を行うと、hTERT 発現PTCL-NOS が、有意に予後不良であった。PTCL-NOS は、多様性の高い疾患である。hTERTの発現、活性化については、いくつかの制御機構があり、今回のhTERT promoter の変異については、直接的にはその発現には関わっていないようである。
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