本研究の目的は、唾液腺腫瘍における細胞診の診断精度を向上させ、治療選択と予後予測の一助とすることである。穿刺吸引生検(FNA)の検査結果は、穿刺を行う臨床医や病理医の経験など、様々な要因によって感度や特異度に幅があることが分かっている。2021年ASCOガイドラインでは、病理医がFNAや針生検(CNB)を用いて、診断や悪性リスク(ROM)を判断するための免疫組織化学や分子検査を補助的に実施する。 我々が設定した液状化細胞診検体でのFISH法の適用は、ガイドラインに沿った補助検査に利用できる。現在、実臨床での適用を検討している段階であり、今後、さらに事例を蓄積し、報告する予定である。
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