ヒト子宮内膜がん細胞株であるISHIKAWAとHEC1Aのクローディン-6(CLDN6)発現細胞株を用いてウェスタンブロットを行った結果、内在性に発現するCLDN4の発現が顕著に減少することを再確認した。また一過性にCLDN6を発現させた場合においても早期に内在性に発現するCLDN4の発現が顕著に減少すること、CLDN6の発現量依存的にCLDN4発現が減少することが明らかとなった。さらにHEK293T細胞にCLDN4を発現させた後にCLDN6を発現させると、CLDN6発現が起こらないことが明らかとなった。次に、ISHIKAWA細胞において、野生型とCLDN6発現株からRNAを採取し、定量的RT-PCRを行った結果、CLDN4のmRNAレベルには変化がないことが分かった。これらの結果から、CLDN4とCLDN6の排他的な発現制御機構は他の細胞においても存在すること、またCLDN6による内在性CLDN4の発現減少はタンパクレベル、つまり分解経路(エンドサイトーシス、リソソーム、オートファジーなど)の誘導によって起こっていることが示唆された。 さらにISHIKAWA細胞の免疫染色を行った結果、CLDN6発現細胞ではCLDN4発現が殆ど認められなかったが、CLDN4陽性細胞とCLDN6陽性細胞の細胞間接着部位では、極僅かにCLDN4とCLDN6が共局在する領域を認めた。これはCLDN4とCLDN6が互いを認識し、互いの排他的シグナルを細胞内に伝達している可能性を示唆するものを考えられる。
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