癌死の最大の原因である肺癌の約2割を占める小細胞肺癌は、高い転移性を示し極めて予後が悪い。2年生存率が20%以下という状況が長く続いており、新たな治療法の開発が求められている。小細胞肺癌の効果的な治療法を開発するためには、転移の機構を明らかにすることが非常に重要であるが、他の癌と比較して小細胞肺癌の転移機構は不明な点が多い。本研究で新たに同定した2種の転移促進遺伝子の機能を、今後より詳しく調べることで、治療法開発の手掛かりが得られると期待される。また、今回立ち上げた、複数の遺伝子の転移形成への影響を検討する手法は、新たな転移関連因子の同定に利用できるだろう。
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