研究課題
1. PCRによる簡便なジェノタイピング法の確立本研究で用いるアポE欠損ウサギはCas9システムによるゲノム編集で13塩基を欠失させたモデルである(Yang D et al., 2013; Niimi M et al., 2016)。これまでウサギ産仔のジェノタイピングはゲノムDNAシークエンスにより行われてきた。in vivo実験に供するアポE欠損ウサギの繁殖に備え、多検体同時処理が可能でルーチン検査に耐え得る簡便なジェノタイピング法の確立を試みた。標的欠失部位を含むゲノム領域(野生型:79 bp、アポE欠損:66 bp)をPCRにより増幅させ、PCR産物を20% ポリアクリルアミドゲルにより分離する事により、簡便に野生型、ヘテロ欠損、ホモ欠損を判別可能なジェノタイピング法の確立に成功した。2. アポE欠損ウサギの繁殖我々の確立した人工授精技術(Liu E et al., 2007)により、アポE欠損ウサギの繁殖を開始した。今後のin vivo実験で用いるホモ欠損個体を効率的に得る目的で雌性ヘテロ個体を優先的に収集している。3. アポEヘテロ欠損ウサギの糖代謝・インスリン抵抗性に及ぼす影響アポEヘテロ欠損ウサギを用いて、糖代謝及びインスリン抵抗性に及ぼす影響を検討した。3月齢の野生型及びアポEヘテロ欠損ウサギに20% 果糖/ 10% ココナッツ油を添加した高糖高脂肪食を12週間摂取させた。試験期間中、血漿脂質(総コレステロール、中性脂肪、HDL-コレステロール、遊離脂肪酸)、血漿グルコース及びインシュリンを測定した。また、グルコース及びインシュリン負荷試験を行った。高糖高脂肪食負荷12週後に解剖を行い、蓄積脂肪重量を測定するとともに脂肪細胞サイズの分布及び肝臓中の脂質蓄積を組織学的に解析した。
1: 当初の計画以上に進展している
アポEヘテロ欠損ウサギを用いてin vivo試験を当初の計画より前倒しで実施した。
アポEホモ欠損ウサギを効率的に得られる繁殖計画を策定し、繁殖を継続する。アポEホモ欠損ウサギを用いたin vivo実験を遂行する。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)
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