アポリポ蛋白E(アポE)は分子量34 kDaの糖蛋白質で脂質代謝における役割は血中リポ蛋白が肝臓へ取り込まれる際のリガンドとして機能する。我々はマウスに比べヒトにより近いリポ蛋白代謝系を持つウサギを用いて、アポE欠損モデルを作製した。アポEのリポ蛋白代謝及び動脈硬化形成・進展における役割をアポE欠損ウサギ用いて検討した。高コレステロール食負荷条件でアポE欠損ウサギは野生型ウサギに比べて、血漿総コレステロール及びトリグリセリドが上昇した。この上昇は血漿βVLDLの増加に由来し、βVLDL中のアポBは主にアポB-48であった。大動脈における動脈硬化はアポE欠損により促進されることが明らかになった。
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