研究課題
基盤研究(C)
胃粘膜でのレプチンシグナルの破綻は、胃がん発生に繋がる。我々は、遺伝子改変マウスと食事性肥満の2種類のマウスモデルを用い、胃レプチンシグナルが胃粘膜上皮の胃がんや前がん状態を誘導し、胃粘膜常在菌叢の構成異常を発生させることを明らかにした。レプチン受容体を欠損させるとこれらの胃粘膜の病態が顕著に改善され、常在菌叢の構成異常も抑制された。これらの結果から、胃レプチンシグナルは胃粘膜細胞分化や胃内環境を制御しうることが示された。
消化管免疫
これまでレプチンの研究は、レプチンによるエネルギー代謝調節とその破綻機構に焦点が当てられ、胃で産生されるレプチンの胃局所における調節作用はほとんど明らかになっていない。本研究は、消化管特異的なレプチンシグナルに焦点をあて作製された遺伝子改変マウスを用いており、それ故、研究成果はヒト腸上皮化生、胃がん発症機構の解明においても重要な情報になりうる。