ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染に伴うCD4陽性T細胞数の減少は感染初期においても一過性の細胞数減少がみられるが、誘導される細胞死の特徴や病態形成との関連は未だ明らかではない。そこで本研究では、HIV感染初期ヒト化マウスのCD4陽性T細胞において誘導される細胞死の解析を行った。脾臓CD4陽性T細胞における解析の結果、ウイルス接種後3日目の時点で有意な細胞死誘導が認められた。そして細胞死様式について解析した結果、誘導された細胞死の実態はアポトーシスではなくパイロトーシスやネクロプトーシスを含む非アポトーシス性細胞死であった。以上の結果から、非アポトーシス性細胞死と炎症誘導との関連が示唆された。
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