ある種の腸管寄生線虫に感染すると、肺が傷害され、グループ2自然リンパ球(ILC2)が活性化して増加するが、この細胞は寄生虫排除後も肺に残り、次の感染に備えている。今回の研究では、このようなILC2が多く残るマウスではパパインのようなアレルゲンの暴露に対しても強く反応を示すことがわかった。また、残った細胞は単に数が多いだけでなく、強く早い反応性を持ち、異なる遺伝子発現パターンを示すことから、メモリー様ILC2となっていると考えられた。ILC2を活性化するものとしてTSLP、IL-25などの上皮由来サイトカインが知られているが、メモリー様ILC2の誘導にはTSLP、IL-25は必須ではなかった。
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