我々はこれまで黄色ブドウ球菌が産生する毒性ショック症候群毒素-1(TSST-1)のオートファジー抑制活性を見出した。本研究では、本菌の慢性皮膚感染メカニズムとTSST-1の役割について研究を行った。 この結果、TSST-1がSarABにより温度依存的に調節を受けること、オートファジー抑制はGTPaseのSeptin 7によって仲介されること、上皮細胞で菌の増殖を促進することを明らかにした。マウス皮膚感染モデルでは、TSST-1が組織の損傷と菌の侵入を促進することがわかった。これらの結果は、TSST-1が本菌の持続感染に関与し、慢性感染を促進する可能性があることを示唆していた。
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