研究課題/領域番号 |
17K08833
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
桑原 知巳 香川大学, 医学部, 教授 (60263810)
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研究分担者 |
橋本 雅仁 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (30333537)
石川 秀樹 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (30351795)
今大路 治之 (中山治之) 香川大学, 医学部, 講師 (80294669)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 潰瘍性大腸炎 / 腸内細菌 / IgG / 表層分子 |
研究実績の概要 |
潰瘍性大腸炎においては腸内細菌に対する過剰な免疫反応が病態の基盤にあるが、どのような腸内細菌分子が宿主の免疫応答を惹起しているのかは未だ明らかになっていない。潰瘍性大腸炎患者の腸内細菌に対する過剰な免疫応答を明らかにするため、同意を得た被検者(40名)より採取した血液より血清IgGを精製した。同時に採取した便検体を用い、患者IgGと結合する腸内細菌群の同定を試みた。精製IgGと4%パラホルムアルデヒド固定した便検体を反応させ、Protein G magbeadを用いてIgG結合細菌を含む分画を採取した。採取した分画からDNAを抽出し、次世代シークエンサーを用いた16Sメタゲノム解析を行った。菌組成パターンにもとづく主座標分析の結果、IgG結合細菌の菌組成によって被験者を3群(A, B, C)に分類することができた。この3群のうちA群では大腸内視鏡所見で粘膜上に白苔を伴うケースが多く含まれることから、腸内細菌への免疫応答の違いにより大腸粘膜への好中球の浸潤などの病態が修飾される可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の主目的である潰瘍性大腸炎患者の血清IgG結合腸内細菌の検索については、40名の被験者のデータ収集を完了した。健常人10名の解析を次年度に実施する予定であり、最終年度には臨床像との関連性を明らかにできる状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は健常者10名について血清IgG結合細菌の解析を行い、潰瘍性大腸炎患者との違いを検索する。潰瘍性大腸炎患者の腸内細菌のみに強く反応する腸内細菌を分離し、どのような表層分子が免疫応答に関与しているのかを免疫沈降法により明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
818円の少額の次年度使用額が生じたが、次年度の消耗品購入等に有効活用する。
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