研究成果の概要 |
一部の大腸菌などから分泌される遺伝毒性物質コリバクチンが、大腸発がんに関与する可能性について調査した。大腸がん患者34名から分離した大腸菌729株について、コリバクチン生合成遺伝子の有無を調べた結果、11名から450株のコリバクチン産生菌(clb+)を得た。腫瘍部位におけるclb+株の出現率(72.7%, 327/450)は、非腫瘍部位における出現率(44.1%, 123/279)よりも有意に高く、腫瘍部位にclb+株の集積が起きていることが分かった。さらに、clb+株の遺伝子発現解析などにより、コリバクチン産生機構と大腸発がんに関する基礎的な知見を収集することができた。
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