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2019 年度 実績報告書

インフルエンザウイルスに対する万能抗体誘導B細胞の誘導・維持機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K08856
研究機関大阪大学

研究代表者

新中須 亮  大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任助教(常勤) (00451758)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード感染防御・制御 / 免疫 / メモリーB細胞 / 抗体
研究実績の概要

本年度はStem特異的メモリーB細胞が稀にしか検出できない理由として申請者が立てた3つの仮説について検証を行った。
①「Stem特異的メモリーB細胞の前駆細胞はアナジー状態のため数が少ない」という仮説の検証については、現在までに、Stem特異的メモリーB細胞をシングルセルで回収し、それぞれのBCRレパトアの解析ならびにクローニングを行った。その結果、B6マウスには15前後のstem特異的BCRレパトアが存在することが明らかとなった。現在は、クローニングしたBCRの自己抗原への反応性について評価中である。
② 「GCでのTfrが、Stem特異的メモリーB細胞の分化を抑制している」という仮説の検証についていくつか解析を行った。まずFoxp3-DTRマウスを用いて全身からTregを欠損させたマウスにインフルエンザを感染させた時のstem特異的メモリーB細胞への影響について評価した。その結果、メモリーB細胞誘導については、Treg欠失マウスで数が上昇している傾向はみられた。ただ、差が小さいため数を増やして再度検証する必要があると結論付けた。Tfr欠失マウスについてはS1pr2-ERT2creマウスがこの実験系では上手く使えなかったため、現在はその代わりにCXCR5-ERT2creを用いた系を準備中である。
③「転写因子T-betがStem特異的GC B細胞の誘導を正に制御するか」の検証を行った。実験はT-bet flox-CD19creマウスを作製しインフルエンザを感染させ評価した。その結果、野生型に比べKOでstem特異的細胞に影響を与えている結果は得られなかった。また、T-bet reporterを用いてT-bet陽性と陰性のメモリーB細胞のRNA-seq解析も行ったが、2つ群で違いはなかった。これらの結果より、T-betのstemメモリーB細胞分化への影響は強くないと結論づけた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] Exposure of an occluded hemagglutinin epitope drives selection of a class of cross-protective influenza antibodies2019

    • 著者名/発表者名
      Adachi Yu、Tonouchi Keisuke、Nithichanon Arnone、Kuraoka Masayuki、Watanabe Akiko、Shinnakasu Ryo、Asanuma Hideki、Ainai Akira、Ohmi Yusuke、Yamamoto Takuya、Ishii Ken J.、Hasegawa Hideki、Takeyama Haruko、Lertmemongkolchai Ganjana、Kurosaki Tomohiro、Ato Manabu、Kelsoe Garnett、Takahashi Yoshimasa
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 10 ページ: 1-13

    • DOI

      doi: 10.1038/s41467-019-11821-6

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Requirement for memory B-cell activation in protection from heterologous influenza virus reinfection2019

    • 著者名/発表者名
      Leach Sarah、Shinnakasu Ryo、Adachi Yu、Momota Masatoshi、Makino-Okamura Chieko、Yamamoto Takuya、Ishii Ken J、Fukuyama Hidehiro、Takahashi Yoshimasa、Kurosaki Tomohiro
    • 雑誌名

      International Immunology

      巻: 31 ページ: 771~779

    • DOI

      doi: 10.1093/intimm/dxz049

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Functional clustering of B cell receptors using sequence and structural features2019

    • 著者名/発表者名
      Xu Zichang、Li Songling、Rozewicki John、Yamashita Kazuo、Teraguchi Shunsuke、Inoue Takeshi、Shinnakasu Ryo、Leach Sarah、Kurosaki Tomohiro、Standley Daron M.
    • 雑誌名

      Molecular Systems Design & Engineering

      巻: 4 ページ: 769~778

    • DOI

      DOI: 10.1039/c9me00021f

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-01-27  

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