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2019 年度 実績報告書

肝炎ウイルスの増殖制御に関わる細胞内アネキシン分子の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 17K08857
研究機関神戸大学

研究代表者

阿部 隆之  神戸大学, 医学研究科, 准教授 (90403203)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードC型肝炎ウイルス / アネキシン / タイトジャンクション
研究実績の概要

本研究では、C型肝炎ウイルス(HCV)の増殖制御に関与する細胞内アネキシン分子に対する機能評価を行なった。アネキシン分子は、カルシウム依存的なリン脂質結合タンパク質であり、これまでに12種類のアイソフォームが報告されている。アネキシン分子ファミリーの中で、アネキシン2及びアネキシン3がHCVの複製、ならびに粒子形成に重要であることが報告されているが、本研究より新たにアネキシン5がHCVの感染生活環に関与することが明らかとなった。具体的には、HCVサブゲノムレプリコン細胞を用いた系より、アネキシン5のsiRNAによる発現抑制に伴い、HCV複製が促進されることが示された。同様に、HCV感染細胞におけるアネキシン5の発現抑制は、HCV増殖の飛躍的な促進を示した。これらの結果より、アネキシン5がHCV感染に対する増殖抑制因子(ネガティブレギュレーター)として機能していることが示唆された。一方で、アネキシン5の発現抑制は、HCVのIRES依存的なタンパク質の翻訳過程には影響しなかった。さらに、アネキシン5の発現抑制により、タイトジャンクション形成に重要なタンパク質である、クローディン(CLDN1)やオクルーディン(OCLN)の発現低下、ならびに細胞内局在の変性(disassembly)等の現象が観察された。CLDN1やOCLNはHCVの感染初期過程に必須の分子であることが報告されている。これらの結果より、アネキシン5がHCVの増殖制御のみならず、タイトジャンクション形成にも重要な役割を担うことが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Cytosolic DNA-sensing immune response and viral infection2019

    • 著者名/発表者名
      Abe T, Marutani Y, and Shoji I
    • 雑誌名

      Microbiology and Immunology

      巻: 63 ページ: 51-64

    • DOI

      10.1111/1348-0421.12669

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Annexin 5 participates in the negative regulation of HCV propagation2019

    • 著者名/発表者名
      Yuki Marutani, Takayuki Abe, Chieko Matsui, Lin Deng, Yoshiharu Matsuura, and Ikuo Shoji
    • 学会等名
      67th Annual Meeting of the Japanese Society for Virology

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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