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2018 年度 実施状況報告書

細胞間接触によるウイルス再活性化メカニズムの解明と阻害因子の探索

研究課題

研究課題/領域番号 17K08869
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

菅野 隆行  国立感染症研究所, 感染病理部, 主任研究官 (50272563)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードウイルス再活性化 / 細胞間接触 / KSHV
研究実績の概要

エイズ患者に合併するカポジ肉腫のうち内臓型は致死的となりうる合併症である。カポジ肉腫発症にはウイルス再活性化が関与しており、本研究は生体内で起こっていると考えられるKSHV感染B細胞と接着細胞の接触による再活性化のメカニズム解明とその特異的阻害分子の探索によりカポジ肉腫発症予防法の確立を目指している。KSHVキャリア、あるいはKSHV感染ハイリスク群としてカポジ肉腫発症リスクの高い集団を特定することが可能なため予防可能であると考られる。
KSHV潜伏感染B細胞 BCBL-1/rKSHV.152 細胞に対して、共培養による再活性化誘導能が異なる2種類の接着細胞からDNA マイクロアレイによって発現量の異なる遺伝子群を抽出した。さらに細胞内の局在、機能などについてデータベースを用いて検討を行い、再活性化誘導に関わる遺伝子候補の選別を進め、再活性化誘導能の有無について検討を進めている。
生体内においては、潜伏感染B細胞が再活性化した後、標的細胞に細胞間感染することが考えられる。KSHV感染B細胞と接着細胞との長期共培養により感染が成立する実験系を確認した。ウイルス感染B細胞、接着細胞の細胞間接触による再活性化、それに続いて起こる細胞間感染を in vitro で再現していると考えられ、実験系として有用である。共培養の実験では、それぞれの細胞を完全に分離することが困難なためそれぞれのマーカーが個別の解析に必須であり、特異的細胞マーカーについて検討を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

再活性化誘導能の異なる細胞について、発現量の異なる遺伝子群からKSHV再活性化誘導の責任遺伝子の選別に時間を要している。KSHV潜伏感染B細胞が再活性化し接着細胞に感染することを想定した、長期共培養によるウイルス再活性化、感染を in vitro で再現する実験系を立ち上げた。この実験系は非常に有用と考えられるが、潜伏感染B細胞と標的となる接着細胞のマーカーの確定に至っていない。

今後の研究の推進方策

1)多種類のヒト培養接着細胞株について、KSHV潜伏感染B細胞の再活性化誘導について検討を行い、再活性化誘導能と発現遺伝子量の関連性を検索する。その結果によりさらなる責任遺伝子の絞り込みを進める。
2) 再活性化に必要なシグナル伝達経路の探索としてEBVの細胞間感染やKSHV再活性化に関与する ERK, NF-κB, PI3K, Ras, HIF-1α シグナル経路に関連する阻害剤、また小分子ライブラリなどを用いて検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

再活性化誘導責任遺伝子候補の選定が遅れているため。今後確定する候補遺伝子産物に対する抗体、遺伝子ノックダウン、ノックアウトなど解析に必要な試薬に使用する。また再活性化に関与するシグナル伝達経路についての検討に使用する阻害薬等の購入に充てる。

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公開日: 2019-12-27  

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