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2022 年度 実績報告書

細胞間接触によるウイルス再活性化メカニズムの解明と阻害因子の探索

研究課題

研究課題/領域番号 17K08869
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

菅野 隆行  国立感染症研究所, 感染病理部, 主任研究官 (50272563)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワードカポジ肉腫 / 細胞間接触 / 再活性化
研究実績の概要

エイズ日和見合併症としてカポジ肉腫は現在でも上位にランクされ、内臓型は致死的であり治療上の大きな問題となっている。KSHV感染B細胞が接着細胞との接触によりウイルス再活性化誘導されることから着想を得て、本研究では細胞間接触による生理的活性化メカニズムを明らかにし、その阻害薬開発によりカポジ肉腫発症予防に寄与することを目的としている。
細胞間接触によるウイルス再活性化メカニズムを明らかにするため、接着細胞とKSHV感染B細胞の共培養によるヒト及びKSHVウイルス遺伝子発現プロファイルの変化をトランスクリプトーム解析にて検討した。
具体的には標的細胞となるHeLa, 293細胞を接着させた後、ウイルスドナー細胞のKSHV感染B細胞株TY-1, BCBL-1, SPEL細胞また対照としてKSHV陰性のBjab細胞を添加し、Transwellを介して標的細胞、ドナー細胞が接触しない群と直接接触する群について検討した。標的細胞、ドナー細胞全てを回収してmRNAを抽出し、NEB Next Multiplex Oligos for Illumina を用いてライブラリを作成、1検体あたり4GbカバレッジでNextseq1000にて解読を行なった。NGSデータ解析にはCLC Genomics Workbenchを用いた。ヒト遺伝子の発現差異解析を行なった後、差異を2倍以上、p値<0.05を有意として遺伝子オントロジー解析を行なったところ、標的細胞によらずHypoxia関連遺伝子群が上位を占めた。ドナー細胞のKSHVの有無に拘らずHypoxia関連遺伝子変化が誘導されることからB細胞と上皮細胞の接触による普遍的な遺伝子発現変化である可能性も考えられた。KSHV遺伝子プロファイルに強い溶解遺伝子誘導は認められず再活性化には遺伝子発現変化だけでは説明できない機序も含まれる可能性が示唆された。

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公開日: 2023-12-25  

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