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2019 年度 実施状況報告書

B1細胞発生におけるLUBACの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 17K08880
研究機関東北医科薬科大学

研究代表者

佐々木 義輝  東北医科薬科大学, 医学部, 助教 (80323004)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード免疫学 / シグナル伝達 / 発生・分化
研究実績の概要

直鎖状ポリユビキチン鎖は所属研究室で発見された新規ユビキチン修飾であり、HOIP、HOIL-1L、SHARPINからなるユビキチンリガーゼ複合体LUBAC(linear ubiquitin assembly complex)に よって選択的に生成され、その機能として古典的NF-κB経路の活性化や細胞死の制御に関与することが明らかになっている。研究代表者は、これまでにLUBACがB1細胞の発生に必須の機能を持つことを発表してきた。そこで、本研究課題ではB1細胞の発生におけるLUBACの機能を明らかにすることを目的として研究を行っている。これまでの研究に於いて、LUBACがTLR4の下流の二つのシグナル伝達分子MyD88とTRIFの内、TRIFの下流で活性化されるCaspase-8及びCaspase-3の活性化を抑制することに よって、LPS刺激によるB細胞の活性化、増殖、そしてそれに引き続いて起こる抗体産生細胞への分化を制御していること明らかにした。また、ネクロプトーシスに必須の分子RIP3を欠損させることでLUBAC活性を欠損したB1b細胞の発生が回復することからLUBACがネクロプトーシスを抑制することでB1b細胞の発生・維持を制御していることも発表している。今後は、LUBACによるB1a細胞の発生における機能、B1b細胞にネクロプトーシスを誘導する刺激系について解析していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

平成30年に研究代表者はそれまで所属していた研究室を離れ、これまでの研究主体から診療中心の組織に属する事となった。そのため、研究する環境を整えるところから始める必要があるため、当初の研究計画よりも遅れを認めている。当初平成31年度が最終年度の予定であったが、研究計画が遅れていることから研究計画を延長することとした。

今後の研究の推進方策

LUBACを欠損するB1a細胞の発生はネクロプトーシスを抑制しただけでは回復されない事から、LUBACがどのようにしてB1a細胞の発生・維持をコントロールしてい るのかについて解析を進めていく。具体的には、B1a細胞の発生・維持にはLUBACによるアポトーシス、ネクロプトーシス両方のプログラム細胞死を制御する必要 であるのか、もしくは古典的LUBACのもう1つの重要な機能であるNF-κB経路の活性化が重要であるのかについて検討する。さらに、LUBAC活性が欠損したB1b細 胞にネクロプトーシスを誘導する受容体の検索も同時に行う。

次年度使用額が生じた理由

研究代表者は30年度より所属機関が変更になり、これまでの研究を主体に行っていく環境から診療の業務の間に研究を行う事となった。研究に割ける時間を確 保する事が難しく、研究環境を整えるところから行わなければならない事から当初必要としていた予算を使用しなかった。研究計画が遅れていることから研究計画を延長し、当初の研究目標を達成できるようにする方針である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Modulation of autoimmune pathogenesis by T cell-triggered inflammatory cell death.2019

    • 著者名/発表者名
      Sasaki, K., Himeno, A., Nakagawa, T., Sasaki, Y., Kiyonari, H. and Iwai, K.
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 10 ページ: 3878

    • DOI

      10.1038/s41467-019-11858-7.

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-01-27  

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