研究課題
直鎖状ポリユビキチン鎖は所属研究室で発見された新規ユビキチン修飾であり、HOIP、HOIL-1L、SHARPINからなるユビキチンリガーゼ複合体LUBAC(linear ubiquitin assembly complex)に よって選択的に生成され、その機能として古典的NF-κB経路の活性化や細胞死の制御に関与することが明らかになっている。研究代表者は、これまでにLUBACがB1細胞の発生に必須の機能を持つことを発表してきた。そこで、本研究課題ではB1細胞の発生におけるLUBACの機能を明らかにすることを目的として研究を行っている。これまでの研究に於いて、LUBACがTLR4の下流の二つのシグナル伝達分子MyD88とTRIFの内、TRIFの下流で活性化されるCaspase-8及びCaspase-3の活性化を抑制することによって、LPS刺激によるB細胞の活性化、増殖、そしてそれに引き続いて起こる抗体産生細胞への分化を制御していること明らかにした。また、ネクロプトーシスに必須の分子RIP3を欠損させることでLUBAC活性を欠損したB1b細胞の発生が回復することからLUBACがネクロプトーシスを抑制することでB1b細胞の発生・維持を制御していることも発表している。今年度は、LUBACの過剰発現がNF-κB経路の活性化と細胞死を抑制することでBリンパ球の腫瘍化を促進することを発表した。
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Blood
巻: 136 ページ: 684-697
10.1182/blood.2019002654.