今回の研究成果は、インターロイキン-7受容体に新しい機能ドメインが存在することを示した。本検討の結果から、このドメインがアセチル化修飾を介した情報伝達系分子の機能調節に関わる可能性が示唆された。免疫系細胞の情報伝達異常は免疫不全や白血病等の疾病に至ることがある。こうした疾患の治療開発へつながる可能性が本研究の成果の意義と考えている。本検討で見出したアセチル化の分子機構の全貌を明らかにすること、免疫系を含めた細胞のライフサイクルにおいて、アセチル化がどの過程にどのように関与しているかを明らかにすることも重要となる。基礎分野にこうした気付きを残せた点でも学問的意義があったと考えている。
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