研究成果の学術的意義や社会的意義 |
敗血症は細菌やウィルスなどの感染症により、全身に炎症が拡がり、進行すると多臓器不全や敗血症ショックといった重篤な病態に陥る。現在、世界で年間2,000万人以上もの人が新たに発症しており、その中のかなりの割合の人が敗血症で亡くなっているとされている。この敗血症を誘発する最初のきっかけとなるのが、TLRと呼ばれる受容体からのシグナル伝達とされている。ところが、TLRシグナルが過剰に伝達されると、IL-6などのサイトカインが多量に産生され敗血症ショックとなる。そのため、TLRシグナルからのIL-6産生制御機構の解明は、敗血症ショックの発症機序の解明やその治療法の確立において非常に重要であるといえる。
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