研究課題/領域番号 |
17K08900
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
前野 貴美 筑波大学, 医学医療系, 講師 (80528480)
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研究分担者 |
前野 哲博 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40299227)
横谷 省治 筑波大学, 医学医療系, 教授 (70278951)
後藤 亮平 筑波大学, 医学医療系, 助教 (20780092)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | プライマリ・ケア / ビックデータ / ICPC-2 |
研究実績の概要 |
地域医療の質の向上を図るには、国民の医療を真に把握して医療サービス提供体制の構築に役立てるビックデータが必要である。本研究では、プライマリ・ケアにおける診療行為を包括的にコード化するツールであるプライマリ・ケア国際分類ICPC-2(International Classification of Primary Care Second Edition)を用い、コンピュータを活用した入力システムの開発、検証を行う。同時に、プライマリ・ケアの診療範囲をICPC-2およびレセプトデータより多面的に明らかにし、我が国のプライマリ・ケアを向上させるための知見を得ることを目的とする。 2017~18年度は、ICPCコーディングを支援するICPC-2入力システムの開発を行った。具体的にはFileMaker Proを利用したICPC-2入力システムを開発し、パソコンのブラウザで動作するソフトウェアとし、機種を選ばずに使用できるシステムを開発した。 2019年度は上記のシステムを利用して、プライマリ・ケアの診療範囲をICPC-2日本語版を用いたコード化およびレセプトデータより、多面的に明らかにすることを目的として、北茨城市民病院附属家庭医療センターにおける調査を開始した。対象施設を受診した新患患者の主訴についてA(全身および部位が特定できないもの)、P(心理、精神)、R(呼吸器)等、幅広い領域に分布していた。再診理由については、K86(合併症のない高血圧症)、T90(糖尿病)、T93(脂質異常)等の継続的な健康問題での処方継続が多いが、幅広い領域にわる新規の健康問題も発生していた。定期通院患者について、検診やワクチン接種を勧めるなど、レセプトでは抽出しきれない健康教育や社会問題にも対応していた。プライマリ・ケアでは予防や社会問題まで含む幅広い領域の健康問題をカバーしていることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症拡大下、研究実施において研究フィールドとの調整に時間を要したために倫理審査の承認、調査開始が遅れたため、全体的に遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、データ解析、成果発表を行う予定である。また、補助事業の目的をより精緻に達成するためにさらなる情報収集が必要となり、2021年度の学会参加を行い情報収集を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査実施機関との調整に予定よりも時間を要し、当初の研究計画の開始予定が遅れ、この影響によりデータ解析を2021年度に行う必要が生じた。また、補助事業の目的をより精緻に達成するためにさらなる情報収集が必要となり、2021年度の学会参加を行う。このため、データ解析にかかる消耗品費、印刷費、学会参加費に充てる予定である。
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