本研究は、生活習慣変化の将来医療費節減効果を明らかにすることを目的とした。研究期間内には、以下のような成果が得られている。1)マイクロシミュレーションの手法を用い、胃がん発症のプロセスに個人の喫煙状況・出生年などのリスク要因を組み込んだ自然史モデル構築した。さらに内視鏡検診受診によって期待できる費用対効果を検討した。2)周術期の禁煙治療が、その後の直接医療費に与える影響を検討した結果、肺がん患者で外科手術を受けた者のうち、禁煙した群と喫煙を継続した群の2年間の医療費を比較し、禁煙群では有意に医療費が抑えられていることが分かった。
|