研究課題/領域番号 |
17K08908
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
高田 和生 東京医科歯科大学, 統合教育機構, 教授 (80361731)
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研究分担者 |
市川 理子 東京医科歯科大学, 統合教育機構, 特任助教 (50772919) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | mini-CEX / 臨床推論 / 臨床実習 |
研究実績の概要 |
まず現行版改編mini-CEXに関する学生および指導医調査をオンラインで実施した。学生調査では、平成29年度医学科第5学年(108名)の93%から回答が得られ、形式および回数については学生視点からは適切であるとの回答であった。また多く(67%)が復習・振返りを行っていることが判明した。他方、指導医による過去のmini-CEX評価票参照による長期的資質獲得の観点からのフィードバックは実施度が低い(39%)であることも判明した。作法としてではなく「臨床推論にもとづく」病歴聴取/身体診察/プレゼンテーション/意思判断のそれぞれのスキルアップへの貢献度も学生はとても高く評価した。他方、「手本」の事前提示や、指導医の進め方の統一の必要性が指摘された。指導医調査では、想定した60分以内での実施の困難さ、適切な患者の選定の困難さなどが指摘された。これらに基づき改善策を検討した(手本動画の作成、指導医用動画の洗練とFDの実施、評価の電子化による指導医負担軽減および指導医アクセス向上)。また、改編mini-CEX用の評価ルーブリックをEPA概念を応用して作成し、指導医を集めてフォーカスグループ面接を実施し、洗練した。CSAの点数の変化と、回数を追うごとの改編mini-CEXのスコア変化との関連性の解析については、平成30年度に予定される上記評価ルーブリックの導入後に行うこととした。さらに、平成30年度に予定していた臨床実習期間を通じてのStudent Advising Systemの試験的に導入を前倒しして実施し、改善すべき点などを同定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
学生調査結果が高い回収率で得られ、問題点が明確になり、改善策の検討が進んだ。また、平成30年度に予定していた臨床実習期間を通じてのStudent Advising Systemの試験的に導入を前倒しして実施し、改善すべき点などを同定できた。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度の調査結果にもとづき策定された改善策を実行し、また平成29年度に前倒しで導入したStudent Advising Systemの改善を図り、それら双方により改編mini-CEXの臨床能力習得のための形成的評価手法としての有効性を高める。評価ルーブリックを平成30年度に導入し、評価ルーブリック導入前後の臨床実習終了時OSCE(CSA)スコアの変化、そして回数を追うごとの改編mini-CEXのスコア変化とCSAスコアとの関連性の解析を、平成31年度のCSA実施後に行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度の学生および指導医調査結果による問題点同定と改善策策定の過程で、ルーブリック評価を含めた改編mini-CEX評価の電子化が検討され、計画されたために、次年度使用額が生じた。
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