研究課題/領域番号 |
17K08910
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
大磯 義一郎 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80543909)
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研究分担者 |
井上 真智子 浜松医科大学, 医学部, 特任教授 (80609090)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 終末期 / アドバンス・ケア・プランニング / インフォームド・コンセント / シェアード・デシジョン・メイキング / 人生会議 |
研究実績の概要 |
昨年度実施状況報告書に記載の通り、「終末期」に対する医療者と患者、市民との認識の齟齬が明らかとなったことから、「終末期医療におけるデシジョンエイド」作成、実装に向け、より慎重な手続きが必要と考えられた。くしくも昨年秋、厚生労働省が発表した人生会議のポスターは、患者、市民の誤解を生み、わずか1日で発送中止となった。厚生労働省が行った「人生の最終段階における医療に関する意識調査」によると、人生の最終段階における医療・療養についてこれまで家族等や医療介護関係者と詳しく話し合ったことがある者は、一般国民の2.7%しかいなかった。現時点において、医療者側の視点から、人生の最終段階についてデシジョンエイド等を示すことは、患者、市民からは突然の印象がぬぐえず、不要な混乱が生じかねないことが示唆された。 そのため、まずは、人生の最終段階の医療・ケアにおける意思決定に関して、広く市民への普及・啓発を行い、追って、デシジョンエイドの実装を行う方針をとることとした。静岡県の地域医療を担っている共同研究者である井上真智子先生が座長となり、本年度は、浜松市高齢者福祉課の地域包括ケアシステム推進連絡会事業部会として、浜松市の多職種代表が集まり、「人生会議手帳」の開発が行われた。これを用いて市民への普及・啓発を行うため、一般市民向け講習会、専門職向け研修会を計画した。 次年度も、継続して市民への普及・啓発を行うとともに、医療、介護機関において中心的に啓発等実務を担うリーダーの育成を図っていく予定である。その中で、デシジョンエイドの試行・評価を進める予定である。 ただ、新型コロナウイルス感染症の流行により、近日の予定が軒並み中止となっており、今後を含めて不透明な状況にある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画では、森町家庭医療クリニック、及び市立御前崎総合病院等において実施する予定であったが、政令指定都市である浜松市と共同して開発を進めることとなったことから、より多くの知見が得られることが想定される。 ただし、先にも示したとおり、新型コロナウイルス感染症の流行により、近日の予定が軒並み中止となっており、今後を含めて不透明な状況にあること、国民の不安が強い状況の中、終末期の議論を市民に求めることにより、不要な混乱が生ずるおそれがあることから、関係各所と丁寧な議論をしながら、研究を進める必要があるものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後も浜松市との連携をはかりつつ、市民への普及・啓発を進めるとともに、医療、介護機関において中心的に啓発等実務を担うリーダーの育成を図り、ひいては、本研究の最終目的である「終末期医療におけるデシジョンエイド」の作成、実装に向け、研究を進めていく予定である。 ただし、現在、新型コロナウイルス感染症の流行により、国民の不安が強い状況の中にあることから、関係各所と丁寧な議論をしながら、研究を進める必要があるものと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末使用予定の会議費用等が新型コロナウイルス感染症の影響で執行できなかったため。 次年度使用予定。
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