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2018 年度 実施状況報告書

医療安全能力向上のための未固定遺体とシミュレータを用いた教育プログラムの研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K08918
研究機関徳島大学

研究代表者

岩田 貴  徳島大学, 教養教育院, 教授 (00380022)

研究分担者 島田 光生  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (10216070)
柏原 秀也  徳島大学, 病院, 特任助教 (10548738)
東島 潤  徳島大学, 病院, 助教 (30467815) [辞退]
吉川 幸造  徳島大学, 病院, 講師 (80448331)
赤池 雅史  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (90271080)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード腹腔鏡下手術 / トレーニングプログラム / 医療安全 / クリニカル・クラークシップ / バーチャルシミュレータ / HoloLens / 没入体験 / 局所解剖理解
研究実績の概要

近年、腹腔鏡下手術に代表される低侵襲手術のトレーニングは特異な手技のために、術者を養成するテクニック中心のトレーニングに主眼が置かれ、開腹手術とは違った局所解剖の理解・指導トレーニングプログラムの開発は少ない。ホルマリン処理前の献体(未固定遺体)を用いた手術手技・局所解剖理解のトレーニングからシミュレータを用いたドライラボへのフィードバックした卒前卒後一貫トレーニングプログラムを構築し、腹腔鏡下低侵襲手術を担う医療人の育成を行うことを目的とし、そのプログラムが医療安全につながる全く新しい局所解剖教育に有効であることを明らかとする。今年度は研究分担者の教室で実習を行っているクリニカル・クラークシップ学生(医学科5年生)100名にトレーニングボックスで基本的タスクトレーニングを行った後に、バーチャルシミュレータを用いて腹腔鏡下胆嚢摘出術の模擬手術を行い、手技評価方法として、従来のDOPSにそれぞれ基準を言語化して、ルーブリック評価と融合したオリジナルの評価方法を用いて、自己評価と、指導医の評価を行った。胆嚢管の剥離露出操作で総肝管まで剥離してしまう学生が約80%を占める結果で、アンケートで臍からの視野と解剖学で学ぶ視野が違い、胆嚢頚部の牽引で総肝管の剥離まで行ってしまったことが判明した。今回予定している1-1. 未固定遺体を用いた腹腔鏡下腹腔内画像とMDCT血管抽出画像の連動を意識して、今年度は実際の患者のMDCTから胆道系、脈管を抽出して、3D構築してMicrosoft社のHoloLensで胆嚢管周囲の解剖を回転させて腹腔鏡手術と同じ視野にして事前学習をして模擬手術を行ったところ、100%が胆嚢管周囲の解剖が理解でき、総肝管まで剥離露出する学生はなく、安全に手術を完遂することができた。また、評価表からもHoloLens実習前後で自己評価、指導医からの評価ともに点数が上昇した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

未固定遺体のMDCT画像から脈管、胆道系画像を抽出し、3D構築して局所解剖理解のための教材の作成に関して、クリニカルアナトミー・ラボの未固定遺体の供給が滞っているために、遅れている。代替として、実際の患者から抽出した画像を3D構築して教材を作成し、バーチャルシミュレータで模擬手術を局所解剖をon timeで連動させたり、反転授業で予習させる実習を施行したところ、腹腔鏡からの視野による解剖理解が深まったことは成果があった。また、当初予定していた指導医からのルーブリック評価、バーチャルシミュレータの評価を施行し、局所解剖3D構築画像を併用した群は明らかに手術手技の評価が高い結果であった。

今後の研究の推進方策

平成31年度は未固定遺体のMDCT画像から脈管、胆道系画像を抽出し、3D構築して局所解剖理解のための教材の作成と、上級医が判断する腹腔鏡下視野における解剖学的・手技的ピットフォールと学修者が感じるピットフォールに主眼を置いたビデオコンテンツの作成を行い、現在の学生対象のクリニカル・クラークシップで解剖理解のための3D画像を用いた模擬手術を継続して行うとともに、レジデントにはビデオコンテンツ反転授業で見せたり、術中on timeナビゲーションとして見せるような、H30年度に行えなかったブタや未固定遺体を用いたより実践に近い模擬手術実習を行い、作成した教材の有用性を実証する予定である。

次年度使用額が生じた理由

(理由)
計画書作成時に購入予定であった消耗品の価格変動のため
(使用計画)
次年度への繰越額は消耗品に使用予定である

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (6件)

  • [学会発表] Usefulness of the Rubric evaluation as the qualitative evaluation of the laparoscopic training2018

    • 著者名/発表者名
      Takashi Iwata, Masashi Akaike, Jun Higashijima, Takuya Tokunaga, Masaaki Nishi, Shuuya Kashihar, Chie Takasu, Daichi Ishikawa, Mitsuo Shimada.
    • 学会等名
      SAGES2018
  • [学会発表] クリニカル・クラークシップでの手技実習の質的評価としてのルーブリック評価の有用性の検討2018

    • 著者名/発表者名
      岩田 貴、長宗雅美、吾妻雅彦、島田光生、赤池雅史
    • 学会等名
      第50回日本医学教育学会大会
  • [学会発表] 腹腔鏡トレーニングの質的評価としてのルーブリック評価の有用性の検討2018

    • 著者名/発表者名
      岩田 貴、島田光生、東島 潤、徳永卓哉、西 正暁、柏原秀也、高須千絵、石川大地
    • 学会等名
      第118回日本外科学会定期学術集会
  • [学会発表] ルーブリック評価を用いた腹腔鏡トレーニングの質的評価と局所解剖理解のためのVR実習の検討2018

    • 著者名/発表者名
      岩田 貴、島田光生、東島 潤、徳永卓哉、西 正暁、柏原秀也、高須千絵、石川大地
    • 学会等名
      第73回日本消化器外科学会総会
  • [学会発表] 安全な中心静脈カテーテル(CVC)留置を目指したトレーニングシステムの構築・取組み・評価について2018

    • 著者名/発表者名
      岩田 貴、島田光生、東島 潤、徳永卓哉、西 正暁、柏原秀也、高須千絵、石川大地
    • 学会等名
      第80回日本臨床外科学会総会
  • [学会発表] 腹腔鏡下の局所解剖理解のためのVR実習と質的評価としてのルーブリック評価の検討2018

    • 著者名/発表者名
      岩田 貴、島田光生、東島 潤、宮谷知彦、徳永卓哉、西 正暁、柏原秀也、高須千絵
    • 学会等名
      第31回日本内視鏡外科学会総会

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公開日: 2019-12-27  

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