研究課題/領域番号 |
17K08932
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
山崎 由花 東京医科大学, 医学部, 講師 (80579293)
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研究分担者 |
平山 陽示 東京医科大学, 医学部, 臨床教授 (30246285)
山口 佳子 東京医科大学, 医学部, 臨床講師 (30617634)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 外国人患者 / 言葉の壁 / 満足感 / 日本 / 医療機関 / 質問票調査 |
研究実績の概要 |
背景・目的:我が国の外国人居住者・旅行者数の増加に伴い、日本で医療を受ける外国人も増えている。そのため、医療通訳者の需要が高まっているが、調査時(2019年)、医療通訳士は国家資格ではなく、検定試験や認定試験はあるものの、医療通訳としての技術が標準化されていなかった。また、外国人患者が医療通訳者と、その通訳者を介しての医療サービスに満足しているのかは未知であった。そこで、我々は、通訳者が医療通訳者かそうでないかで、外国人患者の1)医師の技術、2)受けた医療全体、3)通訳者の技術に対する満足感に差異を認めるか、居住者と旅行者患者の2群において、それぞれ探索した。 方法:愛知県の医療法人偕行会病院を受診した外国人患者(居住者と旅行者それぞれ)と通訳者のペアを対象に閉鎖型質問と自由記述の質問を搭載した質問票調査を実施し、通訳者が医療通訳者か否かで外国人患者の上記満足感に差を認めるかMann-Whitney U 検定で検討した。自由記述の回答は主題分析で分析した。 結果:外国人居住者48名、旅行者50名とその通訳者が調査に協力した。中国人は患者全体の90%(87/98)を占め、通訳者のうち居住者において92%(44/48),旅行者において76%(38/50)が自らを医療通訳者と申告した。そして、通訳者が医療通訳者の時、居住者の外国人患者は通訳者に満足する傾向を認めた(p < 0.05、Effect Size = 0.32)。また、主題分析の結果は、言葉の壁により居住者の外国人患者は必要な時に適切な医療を受けられないことを示した。 結論: 医療通訳者は、居住者の外国人患者にとって、満足される存在であり、医師とのコミュニケーションに有効に作用することが示唆された。
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