研究課題/領域番号 |
17K08938
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研究機関 | 森ノ宮医療大学 |
研究代表者 |
山下 仁 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 教授 (10248750)
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研究分担者 |
増山 祥子 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 准教授 (10454688)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 代替医療 / 臨床研究 / 研究方法論的質 / 鍼 / 研究倫理 / 重複出版 / 臨床試験 / システマティック・レビュー |
研究実績の概要 |
令和2年度は、代替医療のエビデンスを検証するにあたってシステマティック・レビューとメタアナリシスの混乱要因となる臨床試験の重複出版の現状について、鍼治療の臨床試験を題材として調査し、評価した。 医中誌WebおよびPubMedで鍼の比較試験を検索し、事前に定義した選択基準(2000~2018年のフルペーパー、人(患者・健常者)を対象とした鍼の国内試験)および除外基準(抄録、受賞による転載、紀要の学位論文)にもとづき絞り込んだ。絞り込んだ対象論文の要旨と本文をテキスト変換し「コピペルナーV5」(アンク)を用いてコピペ率20%以上の論文を通読し、データが重複または酷似していて先行論文が明示されていない事例を重複出版(反復出版)とした。また、対象英語論文のデータが日本語論文と重複・酷似して先行論文の明示がない事例を重複出版(並行出版)とした。 その結果、検討対象となった医中誌Web収載201編のうち23編9件、PubMed収載29編のうち6編が重複出版と判定された。計15件の出版年別では2000~2004年3件、2005~2009年6件、2010~2014年6件、2015~18年0件であった。 これらの結果から、鍼灸臨床研究領域では2010年代前半まで重複出版の認識が甘かったと思われる。システマティック・レビューおよびメタアナリシスで重複出版を見逃すと結論に多大な影響を与えるため、組み入れる文献の慎重な照合作業が必要であることがわかった。目標例数を明示せず被験者や群を加えながら試験途中で複数回論文化していた事例については、今後臨床試験登録によるプロトコール公表が徹底されて減少すると思われる。鍼灸臨床試験の重複出版は近年は減少傾向にあるが、今後継続して研究倫理教育を行うべきであることが示唆された。
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備考 |
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