研究課題/領域番号 |
17K08944
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
吉岡 ふみ 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究員 (30569025)
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研究分担者 |
坂根 直樹 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究室長 (40335443)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 1型糖尿病 / QOL / PAID / 心理的負担 / 社会的制約 |
研究実績の概要 |
近年、1型糖尿病の先進的な糖尿病関連デバイスは、持続血糖モニタリング(CGM)や持続皮下インスリン注入療法(CSII)など、進歩を遂げている。 特にインスリンポンプ療法は、毎回手順を踏んで注射しなくてよく、食事の際や高血糖時等、目標の血糖まで修正できる等のメリットがある。一方、常に装着しておかなければならず、装着部位のかゆみや服の制約などのデメリットもある。従来はインスリンポンプ療法の使用に関して、全般的なQOL尺度しかなかった。そこで、インスリンポンプ療法に特化したQOL尺度を新規に開発した。対象となったのは、インスリンポンプ療法を行っている15歳以上の1型糖尿病患者50例(男性28%、平均年齢:47.6±17.0歳、糖尿病歴:14.7±9.7年、CSII歴:6.1±3.3年、平均HbA1c:7.4±0.8%)。28項目について因子分析を行ったところ、「インスリンポンプ療法は高血糖の修正に役立つ」など「利便性」について6項目、「インスリンポンプの療法のために余暇の活動(レジャーや趣味)が制限される」など「社会的制約」が9項目、「インスリンポンプの装着は不快である」「自動車やバイク運転時の低血糖が不安である」など「心理的負担」が10項目の計3因子、25項目が抽出された。サンプルサイズの妥当性は許容範囲内(Kaiser-Meyer-Olkin=0.669)であり、内部一貫性(クロンバックのα信頼性係数=0.870)も妥当であった。Intra-class correlation coefficients(ICC)=0.65であり、相当な再現性(0.61以上)も得られた。糖尿病問題領質問表(PAID)とCSII-QOLとの間には、有意な負の相関があった(Kendall's Tau-b=0.468、p<0.001)。HbA1cとCSII-QOLに、有意な相関関係はみられなかった。
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