研究課題/領域番号 |
17K08961
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用薬理学
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研究機関 | 昭和大学 (2018-2020) 慶應義塾大学 (2017) |
研究代表者 |
今村 知世 昭和大学, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (00570954)
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研究分担者 |
谷川原 祐介 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (30179832)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 個別化投与 / 薬物曝露量 / 薬物動態 / PK規定因子 / がん薬物療法 |
研究成果の概要 |
先行研究にて構築した腎機能に基づくS-1用量算出式の実用化に向けて、本式を評価し改良するために臨床試験を実施した。PPK解析により改良された式にはクレアチニンクリアランス(CLcr)と体表面積(BSA)といった患者因子に性別も加わり、またこれに基づきノモグラムも改訂した。 レゴラフェニブおよび活性代謝物M2とM5はタンパク結合率が高いことから、PK規定因子に基づく個別化投与確立に向けて遊離形曝露量に関する検討を行った。その結果、症状的な副作用の軽度発現群と重度発現群において総濃度では差が認められなかったが、レゴラフェニブとM2およびM5の遊離形濃度の和は重度発現群にて有意に高いことが確認された。
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自由記述の分野 |
臨床薬理
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
欧米ではFDAやEMAの製薬企業向けガイドラインにより、医薬品開発時には腎機能低下者での薬物動態試験を実施し、その結果に基づき腎機能低下患者への用量調節指針が示されている。しかしS-1は米国では承認されておらず、また欧州での承認用量はシスプラチンとの併用による50mg/m2/日のためアジアでの承認用量80mg/m2/日とは異なっており、日本を含むアジアでの承認用量においては腎機能低下者での曝露量増加データに基づいた用量調節指針が存在していない。したがって本研究にて改訂されたノモグラムは、S-1の個別化投与のためのツールとして有効性と安全性の担保されたがん薬物療法の実践に貢献できると考えている。
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