研究課題/領域番号 |
17K08969
|
研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
田原 強 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (20419708)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 蛍光イメージング |
研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、TEVp導入したヒトグリオーマU87細胞(TEVp-U87)を免疫不全マウスに移植して、今回新たに構築できたOff-On型ペプチド蛍光プローブが、in vitroすなわち培養細胞のみならず、生体内においてもファンクションを有しているのかどうかを検討することを本年度の主たる目的とした。 まず免疫不全マウスの下肢付け根にTEVp-U87細胞を移植し、3週間後にプローブを尾静脈より投与し、1時間後に腫瘍を摘出し、実体蛍光顕微鏡下で腫瘍の蛍光シグナルを観察した。その結果、TEVp-U87細胞において、顕著なシグナルが得られた一方、U87細胞ではシグナルが得られなかった。また、現在、腫瘍の蛍光シグナルが細胞のどの部分由来なのかを調べるために検討中である。このことから、新規Off-On型ペプチド蛍光プローブが生体内においてもイメージングプローブとして有用である可能性が示唆された。現在、動物個体内で、移植した腫瘍由来の蛍光シグナルが得られるかどうかを、生体内蛍光イメージング装置を用いて検討した。まずは2D蛍光イメージャーにて皮下腫瘍への蛍光を観察したところ、TEVp-U87細胞において、蛍光シグナルを得ることに成功した。一方U87ではシグナルを得られなかった。 現在、3D蛍光イメージャーを用いて、深部腫瘍(例えば脳腫瘍や骨転移など)において、蛍光イメージングが可能かどうかを検討中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナウイルスによる研究施設への出勤禁止および制限があったため、その間、一切の実験もできなった。 そのため、本来の予定していた研究の実施ができず、遅れが生じた。
|
今後の研究の推進方策 |
皮下モデルでの2次元蛍光イメージングはうまく進んでいるので、深部腫瘍(脳腫瘍や骨転移など)を用いて本システムの有用性を検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルスによる非常事態宣言により実験が長期的にストップしたため、研究費の使用量が抑えられたため 繰り越し額および本年度分の予算は、前年度より実施している動物への移植実験、主に動物購入費用として用いる。今後さらに必要となるOff-On型ペプチド蛍光 プローブの合成受託費用としても使用する予定である。
|