研究課題
[目的] 近年、ゲノムワイド遺伝子多型解析等によりニコチン等の物質依存脆弱性や重症度個人差の遺伝要因が明らかにされつつあるが、欧米人と比較して日本人サンプルにおける喫煙行動の遺伝要因の研究は大きな進展を遂げていない。本研究では、代表研究者らの所属研究室においてこれまで収集された日本人サンプルに対してゲノムワイドコピー数変異・多型関連解析を行い、ニコチン等の物質依存脆弱性や重症度と関連する遺伝子多型を網羅的に探索する。[方法] 喫煙情報の付随するがん・糖尿病・高血圧患者192名を対象とした。合計約50万以上のマーカー遺伝子多型を解析するアレイHumanCoreExome及びiScan Systemを用いたInfinium assay法によるマーカーの判定後、コピー数変異・多型解析用ソフトウェアによりコピー数変異・多型を検出し、上記サンプルの解析を行う。得られたデータを、現有の統計解析用ソフトウェアを用いて統計学的に解析し、ニコチン依存脆弱性・重症度とコピー数変異・多型との関連を見出す。[結果] 対象症例において、0~22番常染色体及びX染色体上に合計198のCNV領域が検出された。一日本数(CPD)、Fagerstroem Test for Nicotine Dependence (FTND) score、Tobacco Dependence Screener (TDS) score、の表現型に対してこれらのCNVとの関連解析を行ったところ、PLXDC1遺伝子領域近傍に位置する約3kbpのCNVがTDS scoreと有意な関連を示した。[結論] 今後さらなる再現性検証研究が必要とされるが、本研究において同定されたPLXDC1遺伝子領域近傍のCNVは、日本人においてニコチン依存重症度に関連する有力候補CNVである可能性が示唆された。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (22件) (うち国際学会 9件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
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