研究課題
健康診断を受診し心血管イベントの既往、心電図でST-T異常、頻発性不整脈のない1200名で血中高感度心筋トロポニンI (hs-cTnI)、脳性ナトリウム利尿ペプチドBNPを測定し、メタボリックシンドローム (MetS)およびその構成因子との関連性を検討した。MetS(143名)は非MetSに比し有意にhs-cTnI濃度が高値であった。BNPは両群間で差を認めなかった。腹囲、血圧、脂質、糖代謝いずれかの異常を呈する対象はそれぞれ異常を呈さない対象に比して有意にhs-cTnI濃度が高かった。腹囲と他の1構成因子のみの異常を呈する非MetSのhs-cTnI濃度は、MetSよりも低くその他の非MetSより高値であった。腹囲、血圧、脂質、血糖、あるいはBNPを追加してもこの有意な関連性は保たれていた。長鎖機能性RNA (lncRNA) の機能は徐々に明らかとなりつつある。lncRNA はあらゆる細胞から分泌される小胞体である細胞外小胞extracellular vesicle (EV)に内包され血液など体液中を循環する。EV 内RNA発現変化は体液診断のツールとして期待される。血清EV 中lncRNA HULC の体液診断における有用性を報告した。長期の輸血や鉄代謝異常では鉄過剰症が起こる。過剰な鉄は肝臓に蓄積して臓器障害を引き起こす。非トランスフェリン結合鉄 (NTBI) は非ヘム鉄のうち血清中に存在する鉄の一種で鉄過剰症ではレドックス活性を持ち活性酸素種ROSを産生する毒性の強いNTBIが出現する。この強毒性NTBIは不安定性血清鉄(labile plasma iron, LPI)と呼ばれる。血清LPI量を、自動計測装置を用いて測定する方法を報告した。肝臓や心臓の鉄過剰の指標となりえる。また、過剰鉄を体外へ排出する薬剤である鉄キレート剤の評価に有用と期待される。
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