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2017 年度 実施状況報告書

糖尿病性腎症におけるアミノ酸光学異性体発現の臨床的意義

研究課題

研究課題/領域番号 17K08979
研究機関金沢大学

研究代表者

清水 美保  金沢大学, 保健管理センター, 助教 (10547136)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード糖尿病性腎症 / アミノ酸光学異性体
研究実績の概要

近年、生体内微量D-アミノ酸分析が可能となり、新規機能性分子やバイオマーカー候補として注目されている。本研究は、糖尿病性腎症の臨床評価に有用な代替エンドポイントの設定ならびに糖尿病性腎症の腎組織におけるD-セリン発現の臨床的意義ならびにバイオマーカーとしての可能性を示すことを目的としている。本研究の予備検討として、糖尿病性腎症合併を組織診断された2型糖尿病 144例を対象とした解析により、顕性アルブミン尿例では2年間で30%の推算GFR低下がハードエンドポイント(末期腎不全)と関連することを確認した(第27回日本老年医学会北陸地方会にて発表)。さらに本年度は、日本腎臓学会・腎臓病総合レジストリーの二次研究「糖尿病性腎症例を対象とした予後、合併症、治療に関する観察研究 (Japan Diabetic Nephropathy Cohort Study: JDNCS)」に登録された2型糖尿病 456例を対象として、①登録時データの糖尿病性腎症病期分類およびCKD重症度分類に基づいた臨床的特徴、②腎予後・心血管予後・生命予後に関連する登録時の臨床所見、③登録時より1年間または2年間の推算GFR低下率ならびに顕性アルブミン尿の寛解と透析導入リスクとの関連を検討した。その結果、顕性アルブミン尿例における1~2年間で30%以上の推算GFR低下は透析導入リスクの増加と関連していたが、顕性アルブミン尿の寛解と透析導入リスクの低下との関連は登録時の推算GFRならびに尿蛋白量で補正するとその有意性が消失し,さらなる検討が必要と考えられた。以上の成績を、学会発表(第60回日本糖尿病学会年次学術集会、第60回日本腎臓学会学術総会)ならびに学術論文(Clin Exp Nephrol誌)として報告した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、2型糖尿病に伴う糖尿病性腎臓病の顕性アルブミン尿例において、1~2年間で30%以上の推算GFR低下が透析導入リスクの増加と関連していることを示し、その成績を学術論文としてClin Exp Nephrol誌に発表した。

今後の研究の推進方策

今後は、2型糖尿病に伴う糖尿病性腎症の腎組織におけるD-セリン発現の臨床的意義ならびにバイオマーカーとしての可能性を検討する。

次年度使用額が生じた理由

本年度の検討は、臨床的解析を中心に行った。そのため、病理組織用消耗品や測定用試薬の購入について、次年度使用額が生じた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Decline in estimated glomerular filtration rate is associated with risk of end-stage renal disease in type 2 diabetes with macroalbuminuria: an observational study from JDNCS2018

    • 著者名/発表者名
      Shimizu M, et al
    • 雑誌名

      Clin Exp Nephrol

      巻: 22 ページ: 377-387

    • DOI

      10.1007/s10157-017-1467-9

    • 査読あり
  • [学会発表] 2型糖尿病に伴う糖尿病性腎症の末期腎不全発症に関連する代替エンドポイントの検討:JDNCSの解析2018

    • 著者名/発表者名
      清水美保、遠山直志、原章規、古市賢吾、和田隆志
    • 学会等名
      第60回日本糖尿病学会年次学術集会
  • [学会発表] 2型糖尿病に伴う糖尿病性腎症の末期腎不全発症に関連する代替エンドポイントの検討:JDNCSの解析2018

    • 著者名/発表者名
      清水美保、遠山直志、原章規、古市賢吾、和田隆志
    • 学会等名
      第60回日本腎臓学会学術総会

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公開日: 2018-12-17  

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