研究課題
慢性炎症は、がんをはじめ、自己免疫疾患や生活習慣病、動脈硬化性疾患、神経変性疾患などさまざまな難治性疾患と密接に関連している。IL-1ファミリータンパク質は、炎症や感染防御に重要な役割を果たす実働分子である。これまでタンパク質を測定する方法は存在したが、その測定値と臨床症状との乖離が問題となっていた。臨床症状を反映した簡便・迅速・正確な測定法を確立し、モノクローナル抗体をシーズとしてバイオ医薬品を開発することを目的とした。1)活性型IL-18の測定キットの開発:昨年度までに、大腸菌で発現させた活性型IL-18タンパク質をマウスに免疫しモノクローナル抗体を5種類した。また、炎症性サイトカインIL-1βファミリーのIL-18もIL-1βと同様にタンパク質分解酵素カスパーゼ1により切断され活性化されるため、切断部位のペプチドを用いてマウスを免疫し、活性型IL-18のみを認識するモノクローナル抗体を2種類作製した。これらの組合せから、活性型IL-18のみを認識するサンドイッチELISAキット化に向けて最適条件を検討し、最適な組合せを決定した。2)活性型IL-1βのみを認識するマウスモノクローナル抗体の作製と精製:タンパク質分解酵素カスパーゼ1により切断させる活性化断端のペプチドを用いてマウスを免疫し、活性型IL-1βのみを認識するモノクローナル抗体を合計5種類作製した。3)断端以外の活性型IL-1βを認識するマウスモノクローナル抗体の作製と精製:大腸菌で発現させた活性型IL-1βタンパク質をマウスに免疫し、断端以外の活性型IL-1βを特異的に認識するモノクローナル抗体を合計7種類作製した。2)3)で作製・精製したマウスモノクローナル抗体を用いて、その組合せから活性型IL-1βを認識するサンドイッチELISAキット化に向けて最適条件を検討し、最適な組合せを決定した。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) 備考 (1件) 産業財産権 (2件) (うち外国 2件)
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https://www.med.shimane-u.ac.jp/biochem2/index.html