研究課題/領域番号 |
17K08988
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
高城 一郎 宮崎大学, 医学部, 講師 (20418841)
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研究分担者 |
岡山 昭彦 宮崎大学, 医学部, 教授 (70204047)
越本 知大 宮崎大学, フロンティア科学実験総合センター, 教授 (70295210)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | Laser Microdissection / 細菌同定 / 16S rRNA / 感染症 |
研究実績の概要 |
本研究は、臨床検体のグラム染色標本からLaser Microdissection (LMD)で菌体を回収し、その菌体を遺伝子解析することにより菌種を同定し感染症の診療に役立てることを最終目標とする。現在まで、大腸菌と黄色ブドウ球菌を用いて、菌体からの効率的なDNA抽出法、LMD用スライドメンブレンからのDNA抽出、細菌を接種して作成した腹膜炎モデルマウスを用いてLMDを使用した細菌同定法を段階的に検討した。①培養した菌体からの効率的なDNA抽出法として大腸菌ではアルカリ加熱法で抽出したDNAから大腸菌16S rRNA遺伝子が7copiesあれば検出可能であった。一方、黄色ブドウ球菌からのDNA抽出はアルカリ加熱法では不十分であったため、Achromopeptidase (ACPase)とInstaGene Matrixを用いた方法を採用して大腸菌と同等の感度で16S rRNA遺伝子を検出できるように改良した。いずれも塩基配列を調べた結果、目的の菌種であることを確認した。②臨床応用の前段階として、大腸菌と黄色ブドウ球菌を接種して腹膜炎モデルマウスを作成して検討した。腹腔洗浄液の菌体は白血球に貪食されていたため、貪食白血球をLMDで回収し16S rRNA遺伝子を増幅し塩基配列を決定したところ、両菌種とも10-20個の菌体を貪食した白血球から菌種を同定することが十分可能なことが明らかになった。また、貪食された大腸菌と黄色ブドウ球菌は特異的なPCRを用いて該当の菌種を同定することも可能であった。以上のようにほぼ計画通りにLMCで目的の細菌を回収し菌種を同定する方法を確立することができた。この方法は臨床検体に十分応用できることが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究によりLMDを用いてグラム染色標本から目的の細菌を回収したサンプルより16S rRNA遺伝子の増幅および塩基配列の決定する方法を確立した。
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今後の研究の推進方策 |
これまで大腸菌と黄色ブドウ球菌を用いてLMDで目的菌体の同定法を検討したが、今後は①グラム染色標本で検出されるものの分離培養検査が比較的困難な嫌気性菌や他の菌種についても本法で菌種を特定出来るようにDNA抽出法や検出感度の向上を検討する。②実際の臨床検体から今回開発した方法で菌種同定を行う方針である。
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