研究課題
薬剤耐性緑膿菌の迅速検査法の開発については、薬剤排出ポンプや外膜ポーリン遺伝子を含めた耐性遺伝子獲得機構の解析に加え、感受性菌と比較することが必要であると考えられた。そこで、本年度は、院内で検出された緑膿菌について感受性菌、耐性菌の有無を問わず解析の対象とし、それらの菌株からDNA抽出を行っている。耐性遺伝子への変化またはその獲得について解析中である。また、過去のデータから、カルバペネム系薬耐性緑膿菌と院内全体でのカルバペネム系薬使用量との関連を解析し論文化した。簡易検査については、捕臭パネルの新規開発中である。新規治療法に関しては、緑膿菌の薬剤排出ポンプ部位に対する抗体部位を確定した。ただし前述の解析結果により、よりターゲットとして適する部位が検出される可能性もある。また、抗体の効果を実証するために、マウスの背側に治癒可能な熱傷を作製し、治療効果を確認する手法の確立を試みた。熱傷動物実験モデルを安定的に、多数、同時に作製できるよう、この1年間で手技の確立を行った。
3: やや遅れている
薬剤耐性緑膿菌の迅速検査法の開発については、臨床分離株の解析により研究を進める予定であったが、2017年度上半期は解析対象となる薬剤耐性緑膿菌の検出が少なかった。下半期は、臨床分離緑膿菌数は増加したが、マンパワー不足のため菌株の保管とDNA抽出が困難であった。
2018年度は、2017年度に実施した研究の継続とさらなる展開を検討する。具体的には、薬剤耐性緑膿菌の迅速検査法の開発については感受性菌~耐性菌の解析の継続、簡易検査については捕臭パネルの開発の継続である。新規治療法については、抗体作製とその効果と安全性の確認をマウス熱傷モデルにより順次確認していく。
薬剤耐性緑膿菌の迅速検査法の開発については、臨床分離株の解析により研究を進める予定であったが、2017年度上半期は解析対象となる薬剤耐性緑膿菌の検出が少なかった。下半期は、臨床分離緑膿菌数は増加したが、マンパワー不足のため菌株の保管とDNA抽出が困難であった。そのためかかる研究費の請求額が少なかった。2018年度現在、すでにこれらの問題は解決したため、2017年度の遅延を取り戻すべく研究を推し進める予定である。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (7件)
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