研究課題
補体系は感染防御の重要な構成要素であるが、その過剰な活性化は組織障害性に働くことが知られている。そこで感染と関連した腎疾患における補体による腎障害機序の検討を進めてきた。当初、対象疾患として感染関連糸球体腎炎の解析を進める予定であったが、東京医科大学八王子医療センター及び防衛医科大学校腎臓内分泌内科に保存されている感染関連糸球体腎炎の腎生検凍結組織を調べたところ、非常に限られており解析できる十分なサンプル数に及ばないことが判明した。そこで対象疾患をANCA関連腎炎に変更することとした。20例のMPO-ANCA陽性MPA患者を対象として、腎生検組織と血清を中心に解析を進めた。腎生検組織に関して、C4d, C5, C5b-9はほぼ全例で陽性であったがレクチン経路の活性化を示唆するMBL, MASP-1, MASP-2はほぼ全てのサンプルで陰性であり、おそらく古典経路を中心とする補体活性化が起こり、終末経路まで活性化が進んで腎組織障害に関与している可能性が示唆された。そこで、血清を使用して、古典経路の活性化と関連する分子の変動を、ELISAで解析したところ、古典経路を誘導する免疫複合体が高率に存在することが判明し、Weislabの古典経路補体活性化アッセイキットでも古典経路の活性化が示唆される結果であったことから、免疫複合体が補体の古典経路を誘導し終末経路の活性化まで進んでいることが考えられた。さらに、免疫複合体の存在と、ANCAの抗体親和性とは正の相関することが判明した。このことから免疫複合体はMPOとMPO-ANCAとの複合体である可能性が予測されたため、免疫複合体の構成蛋白の解析をウェスターンブロットで解析したが、残念ながら、この証明は現時点でうまく出来ていない。
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すべて 雑誌論文 (16件) (うち査読あり 16件、 オープンアクセス 16件) 学会発表 (12件) (うち招待講演 1件)
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