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2018 年度 実施状況報告書

HDL-miRNAの動脈硬化発症および進展に対するバイオマーカーとしての可能性

研究課題

研究課題/領域番号 17K08996
研究機関藤田医科大学

研究代表者

石川 浩章  藤田医科大学, 保健学研究科, 准教授 (50321013)

研究分担者 山田 宏哉  藤田医科大学, 医学部, 講師 (80610352)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードHDL-microRNA / 動脈硬化 / 次世代シーケンサー / HDL-miRNAの網羅的解析
研究実績の概要

MicroRNA(miRNA)は、翻訳あるいは転写レベルにおいて遺伝子発現の調節に重要な役割を果たしているnon-coding RNAであるmiRNAの調節不全は、急性心筋梗塞、うっ血性心不全、薬剤誘発性肝損傷およびガンのような多くの疾患と関連している。従って、血中miRNAの発現パターンは、各種疾患に対するバイオマーカーとして注目されている。また、血中のTotal miRNAだけでなく、exosome中に封入されたmiRNAも独特のバイオマーカーになるとの報告がある。exosome中のmiRNAは、卵巣ガンや肺ガンの進行度を反映し、各種疾患 に対して有用な情報を提供している。 近年、miRNAが高比重リポタンパク(HDL) のようなリポタンパク中に安定に存在すること が明らかになった。家族性高コレステロール血 症や急性冠症候群患者のHDL中miRNAプロフィールは、健常人のものと比較して有意な差があることが報告されている。従って、HDL中のmiRNA(HDL-miRNA)も各種疾病の バイオマーカーとして可能性を有している。
本研究では、一般的に測定されているTotal miRNA やexosome 中のmiRNAを分析するのではなく、HDL中のmiRNA を解析し、生活習慣病に起因する動脈硬化の病態進展や発症予測における新規バイオマーカーとしての可能性を検討するものである。現在、我々は某地
域住民の健康診断を受診した被検者の検体を次世代シーケンサーにて網羅的に解析するために、免疫沈降法を用いたHDL精製法の検討を行っている。この免疫沈降HDL精製法は、電子顕微鏡による粒子径の観察およびウェスタンブロットによる分析により、非常に純度の高いHDLが精製されることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では、動脈硬化症の発症および進展に関する新たなバイオマーカーの可能性としてHDL-miRNAの可能性を検討している。今年度は、住民の健康診断を受診した被検者の検体を次世代シーケンサーにて網羅的に解析するために、免疫沈降法を用いたHDL精製法の検討を行っている。次年度は、これらの検体を次世代シーケンサーで網羅的に分析する準備もできた。これらの事から、本研究は、おおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

以上のように、我々は、住民の健康診断を受診した被検者に対して、超音波検査による頚動脈の内膜中膜複合体厚(IMT)やプラーク形成などの検査を実施した。それらの結果から動脈硬化を有する群と対照群に分け、これらの検体を次世代シーケンサーによる網羅的解析を実施して、動脈硬化の病態進展と発症予測に関係するHDL-miRNAを明らかにする予定である。

次年度使用額が生じた理由

次世代シーケンサーの費用が高額なので、その費用に充てる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] HDL-microRNAsに対する臨床応用の可能性 臨床検査への応用を目指して2018

    • 著者名/発表者名
      石川浩章、山田宏哉、太郎丸奈央、近藤奏子、名倉鮎里、山崎未来、安藤嘉崇、宗綱栄二、鈴木康司、大橋鉱二、寺平良治
    • 雑誌名

      臨床化学

      巻: 47 ページ: 345-346

  • [雑誌論文] 血清HDL-microRNAの安定性に関する研究2018

    • 著者名/発表者名
      石川浩章
    • 雑誌名

      臨床化学

      巻: 47 ページ: 427-428

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公開日: 2019-12-27  

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