研究課題/領域番号 |
17K09001
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
瀬川 波子 福岡大学, 医学部, 准教授 (80352251)
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研究分担者 |
安永 晋一郎 福岡大学, 医学部, 教授 (50336111)
朔 啓二郎 福岡大学, 医学部, 教授 (40183371)
三浦 伸一郎 福岡大学, 医学部, 教授 (20343709)
ウォーターズ ブライアン 福岡大学, 医学部, 助教 (00609480)
今泉 聡 福岡大学, 医学部, 准教授 (60609478)
惠 淑萍 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (90337030)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 酸化ストレス / 尿中イソプロスタン / LC-MS/MS / 糖尿病 / バイオマーカー |
研究実績の概要 |
LC-MS/MS法による尿中イソプロスタンと糖尿病の関連 イソプロスタンはプロスタグランジン類に属し、アラキドン酸から産生される。この物質はROS(活性酸素種)によって非酵素的に生成する物質であるため、信頼性の高い酸化バイオマーカーであり、生体内における脂質酸化ストレスを評価する代表的なマーカーのひとつである。本研究は,LC-MS/MSイソプロスタン分析法の臨床意義を確立することを目的とし,新たに確立した高感度な高速液体クロマトグラフィー質量分析法(LC-MS/MS)を用いて,尿中イソプロスタン測定と糖尿病の関連を検討した。 糖尿病患者と健常者から尿サンプルを収集し,尿中イソプロスタン濃度をLC-MS/MS法にて測定した。尿サンプルの前処理法として,塩酸による加水分解で尿中イソプロスタンを遊離し,ジエチルエーテルで抽出後にギ酸で洗浄した。乾固後の残渣を脱イオン水で溶解し、LC-MS/MSの試料とした。LC-MS/MSによる分析は,Thermo Fisher Scientific社の液体クロマトグラフィーシステム(Thermo Finnigan Surveyor HPLC System)と質量分析装置(TSQ Quantum Access)を用いた。 尿中イソプロスタン濃度は,糖尿病患者では963.6 ± 341.1 ng/Lで,健常者では431.3 ± 140.5 ng/Lであり,糖尿病患者において,尿中イソプロスタン濃度が有意に上昇していた(p < 0.01)。この結果から,尿中イソプロスタン濃度は,糖尿病患者における体内での酸化ストレスの増加を反映するマーカーとなり得ることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
LC-MS/MS法による尿中イソプロスタンと糖尿病の関連を検討した
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今後の研究の推進方策 |
血中イソプロスタンは血中において主に高比重リポ蛋白(HDL)に分布するするため,H31年度に,脂肪酸とHDL機能との関連を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 学外にいたために,執行手続きが遅れているため,次年度使用額が生じた。 (使用計画) 繰越金と翌年度に請求する研究費は,脂肪酸とHDL機能との関連の検討に使用する。主に,LC-MS/MSによるサンプルの分析とデータ解析システムの構築に使用する。
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