急性腎障害を合併した場合、どういう特徴を持つ患者が重症化の危険性が高いのかを知ることが出来れば、適切な治療方法を選択する上で重要な情報に成り得る。利尿薬の反応性(単位投与量当たりの尿量)が低く、三尖弁の逆流の程度が大きい患者群で重症化リスクが高いことを明らかにした。また、血中B型ナトリウム利尿ペプチド濃度が高く、心臓カテーテル治療後の尿中L型脂肪酸結合蛋白レベルが高い患者群は、腎障害を合併し易いことを同定した。さらに尿アドレノメデュリンレベルも低K血症と関連を有し上昇することを同定した。今後は如何なる治療介入が心不全の重症化や腎障害の進行を抑制するかを明らかにすることが必要である。
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