研究課題/領域番号 |
17K09009
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
奥村 伸生 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (60252110)
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研究分担者 |
平 千明 信州大学, 学術研究院保健学系, 助教 (40779310)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | フィブリノゲン / フィブリン重合反応 / aホール / Ca結合部位 / D:D結合能部位 / A:a結合 / B:b結合 / トロンビン |
研究成果の概要 |
IgA-λ型M蛋白によるフィブリノゲン(Fbg)後天性機能異常の原因を検討した.患者Fbgの一部はM蛋白と結合しておりトロンビンによるフィブリン(Fbn)転換異常を呈することを証明した. 血栓形成性Fbg異常BβAla68Thrホモ症例を経験し凝固機能を研究した.FbgのFbn転換は試験管内実験条件では著しく低下したが生理的条件ではかなり改善が認められたので,出血の危険性は低いと推測した. トロンビンによるFbn転換が欠如するリコンビナントγΔN319D320の機能解析を行った結果,γ鎖D領域の構造変化が隣接するBβ鎖D領域b-holeに影響を及ぼしB-b結合が欠如することが原因と推察した.
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自由記述の分野 |
臨床検査学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
フィブリノゲン(Fbg)機能異常症の原因は先天性と後天性に大別される.M蛋白の存在は後天性異常の原因として高頻度である.今回の研究ではその詳細機序を明らかにした. 先天性異常では、血栓症例と出血症例に大別される.血栓形成性BβAla68ThrホモFbgのFbn転換は生理的条件下では正常に近く出血の危険性は低いと推測した.一方,Fbn転換が欠如し出血の危険があるγΔN319D320の機能解析の結果,残念ながら製剤輸注以外適切な治療薬がないことが明らかになった。 以上,Fbgの機能異常症の原因と症状は患者ごとに違いが大きく,今後も丁寧な診断と詳細な解析が患者QOL改善に役立つと考える.
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