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2017 年度 実施状況報告書

猫ひっかき病急性期診断のための特異IgM抗体検出高感度ELISAの確立と病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K09013
研究機関山口大学

研究代表者

常岡 英弘  山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40437629)

研究分担者 大津山 賢一郎  山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (10432741)
徳田 信子  山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70227578)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード猫ひっかき病 / ウエスタンブロット法 / IgM-WB
研究実績の概要

猫ひっかき病(Cat scratch disease: CSD)はBartonella henselae による感染症である。本菌は患者からの分離が困難なため、CSDの診断には血清学的方法が有用であり、本研究の第一目標はELISA法による特異B. henselae IgM抗体価測定法を確立することである。
研究1年目である本年度はウエスタンブロット法(WB)で特異B. henselae IgM抗原蛋白質の検出および同定を試みた。すなわち独自に改良したWBでB. henselae ATCC49882株抗原を使用して、臨床的にCSDが疑われた患者62例と健常人50例の各血清について、IgM-WB解析を行った。その結果、健常人ではいずれも反応する明らかなバンドは認めなかったが、患者血清では34例(55%)に反応バンドが認められた。これらバンドはすべての患者に共通したバンドは認めなかったが、8-10kD, 31-35kD, 70kDが主要バンドで、その半数は8-10kDであることが判明した。
そこで主要バンドのうち8-10kDについて、その蛋白質を抽出してMALDI/TOFMSを用いた質量分析法でCSD特異抗原蛋白質の同定を行った。その結果、9種類の蛋白質が検出され、infA, hupB, rplK, BHll790, LigA, BHl2580の6種類が同定された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

予想以上にCSD患者と健常人血清のIgM-WB解析に時間を要した。また主要なCSD特異バンドのうち、8-10kDから9種類の蛋白質が検出されたが、残りの3種類同定、および31-35kD, 70kDの解析は未だ行われていない。この一因はMALDI/TOFMS質量分析機器の不調にもよる。

今後の研究の推進方策

1)CSD特異バンド8-10kDの9種類の蛋白質のうち、未同定3種類蛋白質の同定を試みる。
2)残りのCSD特異バンド31-35kDおよび70kDについて、蛋白質を抽出後、同様にMALDI/TOFMSを用いて蛋白質同定を行う。
3)特異抗原の組み換え蛋白質の作成:同定された各種蛋白質の遺伝子をクローニング後、大腸菌に発現させ、蛋白質を作成させる。さらにこれら発現蛋白質の抗原性をCSD患者血清を使用したIgM-WBで確認する。

次年度使用額が生じた理由

当初の研究計画より、研究がやや遅れている分、若干の経費余剰が生じた。上記今後の推進方策の実施を目指し、有効利用したい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Utility of Bartonella henselae IgM Western Blot Bands for Serodiagnosis of Cat Scratch Disease2018

    • 著者名/発表者名
      Otsuyama KI, Tsuneoka H, Yoshidomi H,Haraguchi M, Yanagihara M, Tokuda N, Nojima N, Ichihara K
    • 雑誌名

      Journal of Clinical Microbiology

      巻: 56(1) ページ: 1-6

    • DOI

      10.1128/JCM.01322-17

    • 査読あり

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公開日: 2018-12-17  

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