• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実施状況報告書

非アルコール性脂肪性肝炎進展を抑制するガレクチン9を制御するマイクロRNAの同定

研究課題

研究課題/領域番号 17K09014
研究機関香川大学

研究代表者

森下 朝洋  香川大学, 医学部附属病院, 講師 (60423430)

研究分担者 谷 丈二  香川大学, 医学部, 助教 (00596075)
正木 勉  香川大学, 医学部, 教授 (30335848)
藤田 浩二  香川大学, 医学部附属病院, 助教 (50749421)
野村 貴子  香川大学, 医学部, 協力研究員 (70645415)
米山 弘人  香川大学, 医学部附属病院, 助教 (80294750)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワードマイクロRNA / ガレクチン9
研究実績の概要

WTマウスを用い、STAMマウスを作製、4週目より高脂肪食を与えたマウスに週3回90μg/日のガレクチン9を腹腔内投与、9週目(肝線維化出現)と16週目(肝細胞癌出現)に犠死させ、それぞれ肝組織内の脂肪化、炎症、線維化、肝細胞癌の有無、サイズを計測した。投与群、非投与群の肝臓を用いそれぞれマイクロRNAを抽出、ガレクチン9投与群にて著明に増減しているマイクロRNAを同定した。
ガレクチン9欠損マウスを用いSTAMマウスモデルを作成し、同様に犠死させ、それぞれ肝組織内の脂肪化、炎症、線維化、肝細胞癌の有無を解析した。また、マイクロRNAを抽出、ガレクチン9の欠損によって特異的に増減しているマイクロRNAを同定した。
WTとガレクチン9欠損マウスの骨髄由来マクロファージを用いて、脂肪性肝炎時に脂肪細胞から分泌されるレプチン存在下でLPSを培養液に濃度別に投与し、免疫応答の代表的な分子であるCD14とTNFαを測定したところ、ガレクチン9欠損マウス由来のマクロファージではそれらの著明な亢進を認めた。よって、NASH改善効果に大切な役割を果たすM2様マクロファージ (肝ではクッパー細胞)において、ガレクチン9の分泌を制御ことが重要であることを見出し、それに関与するマイクロRNAを同定した。
同定したマイクロRNAのターゲット遺伝子をData baseから推定し、その遺伝子の発現調節を解析し、ガレクチン9のM2様マクロファージ内の下流シグナルを同定した。さらに、ターゲットマイクロRNAをCMVプロモーターのあるアデノウイルスベクターにサブクローニングし、高力価にしたあとに、STAMマウスの5週目のNASH形成直前に尾静脈より静注し、肝細胞に強発現させる。その後肝組織での脂肪化、炎症、線維化等おNASH進展の度合い、また肝発癌の状態を経時的に解析した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

STAMマウス自体は順調にNASHの進展、発癌モデルとして十分な役割を果たしており、ガレクチン9ノックアウトマウスの骨髄細胞も比較的安定しているため、マイクロRNAやそのターゲット遺伝子の解析も順調に進んでいる。ただし、ガレクチン9欠損マウスからのSTAMマウスを作製する際に、生後48時間以内にストレプトゾトシンを注射しなければならず、少し作成時間が時間がかかり、またトランスジェニックマウスの繁殖状況が悪く、次年度に延長せざるを得なかった。

今後の研究の推進方策

NASH進展およびNASH発癌において特異的に発現減弱するターゲットマイクロRNAのアデノウイルスベクターを用いた肝特異的レスキューモデルによるin vivoでの機能解析を完了する。これまでの実験により得られたマイクロRNAプロファイルより、共通する真のターゲットマイクロRNAを解析、同定してゆく。そのマイクロRNAをCMVプロモーターのあるアデノウイルスベクターにサブクローニングし、高力価にしたあとに、STAMマウスの5週目のNASH形成直前に尾静脈より静注し、肝細胞に強発現させる。その後肝組織での脂肪化、炎症、線維化等おNASH進展の度合い、また肝発癌の状態を経時的に解析しているが、現時点ではその尾静脈注射の注入量の安定化がやや難しく、今後手技を安定化させること、またトランスジェニックマウスの繁殖を改善することで、今回の研究を完遂する。

次年度使用額が生じた理由

当初予定していた計画がマウスの繁殖状況が悪く、遅延したことと、学会発表予定であったアジア肝臓病学会2020等の学会の参加者数が少なく日程の決定に難航し、コロナウイルス感染症の拡大もあり、最終的に参加を中止した。今後はマウスの繁殖を促し、実験を完遂する。また2020年度の国際学会にも出席する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 免疫チェックポイント分子ガレクチン-9 は,肝線維化と肝細胞癌を抑制する2019

    • 著者名/発表者名
      藤田 浩二
    • 学会等名
      第55回日本肝臓学会総会

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi