本研究課題では、まず細胞培養株を用いて、ウイルス配列濃縮法による高感度HIVトランスクリプトーム解析法を確立した。更にその確立した方法を用いて臨床検体のウイルストランスクリプトーム解析を行ったが、今回の高感度な解析でも充分なウイルス転写物を検出することは出来なかった。以上の結果の解釈として以下の2つが考えられた。①治療前の感染者検体においても、末梢血液中に存在するウイルス転写物は極めて微量であるため、高感度な検出系であっても検出されない。②検出感度が不十分で有り、改良が必要であること。バイオバンクの活用などを通じ、解析症例数を増やし、感染細胞の多い症例を選定するなどして、今後も研究を継続する。
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