研究課題/領域番号 |
17K09017
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
日野 雅之 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (50244637)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 造血幹細胞移植 / 免疫回復 / サイトカイン放出症候群 / 類洞閉塞症候群 / インターロイキン6 / 経直腸門脈シンチグラフィー / WT1 / PT/Cy |
研究成果の概要 |
WT1 mRNAは非寛解AML患者の同種造血幹細胞移植(移植)後の強力な予後因子であった。移植後大量シクロフォスファミドを用いたHLA半合致移植(PT/Cyハプロ移植)で血清IL-6は重度のサイトカイン放出症候群(CRS)、全生存率の低下と関連していた。移植後CD4+T細胞(Tcon)、CD8+T細胞、NK細胞数はPT/Cyハプロ移植でHLA一致血縁ドナーからの移植よりも低かったが、その後追いついた。Tcon/制御性T細胞(Treg)比はPT/Cyハプロ移植で高く、Treg/Tcon比が高いほど慢性GVHDの発生率が低かった。経直腸門脈シンチグラフィーは類洞閉塞症候群の診断に有用であった。
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自由記述の分野 |
血液内科
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
WT1が非寛解急性骨髄性白血病に対する同種造血幹細胞移植の有用な予後因子であることを示し、移植適応を考える上で有用となる。移植後大量シクロフォスファミドを用いたHLA半合致移植(PT/Cyハプロ移植)後に発症し、生命を脅かす可能性があるサイトカイン放出症候群の代理マーカーとしてIL-6を見出し、診断および治療法の開発に有用となる。PT/Cyハプロ移植後の免疫回復を明らかにし、CD4 + T細胞/制御性T細胞比が低いことが慢性GVHDが少ない機序である可能性を示した。非侵襲的門脈圧測定法である経直腸門脈シンチグラフィーが診断困難な移植後類洞閉塞症候群の診断法として有用であることを示した。
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