研究課題/領域番号 |
17K09020
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
梅村 創 国際医療福祉大学, 臨床医学研究センター, 教授 (90136432)
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研究分担者 |
永沢 善三 国際医療福祉大学, 福岡保健医療学部, 教授 (80706820)
佐藤 謙一 国際医療福祉大学, 福岡保健医療学部, 准教授 (90505687)
福島 伯泰 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 准教授 (20346894)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 解析の標準化 / エクソソーム解析法の確立 / 表面プラズモン共鳴イメージング法 / アジア熱性疾患 / COVID-19 / 重症例のマイクロRNA解析 |
研究実績の概要 |
循環血液中のマイクロRNA解析のpreanalyticalな変動要因を解析して成果を得た。血漿サンプルでは血小板断片などのエクソソーム以外の粒子が含まれており解析結果を修飾していること、血清の保存条件としては4℃よりも-20℃がマイクロRNAの低下が少ないこと、などの成果を既に英文雑誌に発表した(MicroRNA, 2018, 7, 1-9 )。採血による物理的血球損傷の影響を100例を越えるサンプルで解析した。これは血液検体を得るのに不可欠な採血、という行為が血球を損傷し、血清マイクロRNA解析の結果に影響することを示した成果となり、特に赤血球損傷が血清マイクロRNA解析に及ぼす影響を学会発表した。現在英文論文を作成中である。 表面プラズモン共鳴イメージング法(SPRi)をエクソソーム解析に応用することにより、エクソソーム産生細胞の解析が可能となることを示し、各種病態解析に応用している。SPRi法は、ナノ粒子の解析法として開発され、近年はヒト循環エクソソーム解析法として注目されている。我々は、ヒト血漿および白血病株化細胞の培養上清中のエクソソームを解析し、その成果を国際細胞外小胞学会で英文発表した(2019年)。 アジアにおける熱性疾患(マラリア、デング熱など)での症例を集積中であるが出血熱を合併した重症例の解析機会が未だなく、メタ解析を行い英文総説を2編発表した(Curr Mole Med. 2019, 20,36-43; MicroRNA, 2020, 9, 1-8)。 本研究の終了を予定していた2020年1月より、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的パンデミックが生じ、現在、重症化を予測できるバイオマーカー開発を目指して症例を解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
エクソソームマイクロRNAの解析法標準化に向けて検討し、英文論文1編、国際学会発表2件を行った。 アジア熱性疾患のマイクロRNA解析について2編の総説を英文にて発表した。 COVID-19のマイクロRNA解析を開始し成果を得つつある。 日本・タイ国のロータリークラブ活動との共同により、タイ国のサラセミア小児の熱性疾患調査プログラムを企画している。
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今後の研究の推進方策 |
表面プラズモン共鳴イメージング法によるエクソソーム解析法を確立し、ナノ粒子を標的とした新規診断法を開発する。マイクロRNA解析法は標準化がほぼ終了し、マイクロRNA解析をCOVID-19症例の病態解析に応用する。 より多くの研究組織と連携し、国内外の症例を含めて検討することが必要である。
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次年度使用額が生じた理由 |
最終年度(2019年度)冬期に、新型コロナウイルス感染症のがパンデミックとなり急遽その解析を本計画に付け加えた。次年度の解析も引き続き必要なため繰り越している。内容はマイクロRNA解析キットが主体である。
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