研究課題/領域番号 |
17K09056
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
久保田 佳樹 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 助教 (40583076)
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研究分担者 |
大野 達也 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 教授 (10344061)
山口 充孝 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 放射線生物応用研究部, 主幹研究員(定常) (10375404)
酒井 真理 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (70727338)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 膵臓がん / 炭素線 / passive照射法 / リアルタイム / 制動放射 / ボーラス / adaptive |
研究実績の概要 |
本研究はpassive照射法での炭素線治療中の患者の解剖学的な変化、特にすい臓がんなどの腹部臓器に照射する際の周辺の腸管内のガス量の変化を測定し、その変化に応じてリアルタイムに照射ビームを生成することを目的とする。この方法を実現するためには、体内(水中)に炭素線が通過した際に発生する制動放射を精度よく検出する技術と、その変化量に応じてpassive照射法でのビームを変化させるためのadaptive可変ボーラスを製作することが必要となる。 平成30年度はadaptive可変ボーラスの組み合わせパターンについて検討した。また、臨床データ中より、肝臓がん・肺がん・膵臓がん患者の体内変動の大きさを測定し、実際起こりうる変形量について検討した。 検出器については、量研で開発したビームイメージングシステムに着脱可能なピンホール型コリメータを製作した。材質は銀合金で、穴径 1.5 mm、開口角は ±30 度とした。製作したコリメータをビームイメージングシステムに取り付け、点線源を用いてイメージング性能のチェックを実施し点線源の移動とともに像が正しい位置に移動することを確認できた。エネルギー分解能は 59.5 keV において ΔE/E = 17 % (FWHM) 程度であった。 次年度は簡易的なファントム内でビーム飛程が変化した場合の測定を行うことでビームイメージングシステムの評価を行う。その後、adaptive可変ボーラスを用いることで実際の飛程が修正され、線量が改善されることを確認する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Adaptive可変ボーラスの製作及び試験がまだ出来ていない。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、まずadaptive可変ボーラスの製作をし、その精度試験を行う。また、簡易的なファントム内でビーム飛程が変化した場合の測定を行うことでビームイメージングシステムの評価を行う。その後、adaptive可変ボーラスを用いることで実際の飛程が修正され、線量が改善されることを確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度までの予定であったadaptive可変ボーラスの製作・評価及び実験が行えなかったため。 次年度はadaptive可変ボーラスの製作・評価及び実験を行う予定である。
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