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2017 年度 実施状況報告書

乳がん検査のためのマルチモダリティ画像診断支援システムの検討

研究課題

研究課題/領域番号 17K09061
研究機関岐阜大学

研究代表者

村松 千左子  岐阜大学, 工学部, 研究員 (80509422)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード乳腺腫瘤 / コンピュータ支援診断 / ディープラーニング / 全厨房超音波スキャナ / モデリング / マンモグラフィ / 類似画像 / 鑑別診断
研究実績の概要

本研究の目的は,乳がんの画像診断の高精度化と効率化を目指し,マンモグラフィ,乳腺超音波画像,乳房自動ボリュームスキャナ(ABVS)等で見つかった病変を対応付け,これらの画像から得られた情報を融合した画像診断支援システムを開発することである.
本年度はABVS画像上の腫瘤とマンモグラフィ上の腫瘤をマッチングさせるための処理の基礎技術として,ディープラーニングを利用した腫瘤の自動検出技術の開発を行った.ディープラーニングを利用することにより,従来のフィルタ処理による検出と比較して,精度の向上がみられた.また,誤検出領域を削減するために,分類のためのディープネットワークを用いて腫瘤と誤検出領域の分別を行った.これにより,誤検出数の大幅な削減ができた.
病変位置の対応付けを可能とするための3Dモデリングのデータを得るために,ファントムを用いた撮影を行った.マルチモダリティで撮影可能なファントムを用いてMRIとマンモグラフィ,ABVSの撮影を行った.ABVSは撮影者間の変動を考慮し,3名の技師による撮影を行った.しかし,ABVS画像は非常にノイズの多い画像が得られ,そのノイズ削減法を検討中である.その結果により,新しいカスタマイズで病変を配置したファントムの発注と撮影を検討する予定である.
腫瘤の鑑別診断手法の検討のため,新たにマンモグラフィと2D超音波画像のセットを入手した.これらは今後,腫瘤位置の切り出しや機械学習に利用するためにゴールドスタンダードの作成を行う予定である.現在までに収集した画像を用いて,畳み込みニューラルネットワークの学習を行い,マンモグラフィにおける良性と悪性の腫瘤画像を精度よく分類することができた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ファントム画像の解析に,思ったよりも時間がかかっている.また,新症例の整理にも少し時間がかかっている.その他の画像解析については概ね順調である.

今後の研究の推進方策

ファントム画像のノイズは,予期していなかったレベルである.これを削減する方法を検討する.ノイズの理由についてメーカに問い合わせ,ファントムの問題であれば,新しいファントムを購入し再度撮影しなおす.また,当初の予定のカスタマイズしたファントムの撮影についても再度検討を行う.
画像解析については引き続きディープラーニングを用いた検討を継続する.

次年度使用額が生じた理由

ファントム撮影に少し遅れが出たため,追加のファントム発注を控えたため.次年度に再度検討し直して新しいファントムを発注する予定である.次年度は予定通り,ディープラーニング用のマシンと,データ保存用ディスクなどを購入予定である.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] Similarity estimation for reference image retrieval in mammograms using convolutional neural network2018

    • 著者名/発表者名
      Chisako Muramatsu, Shunichi Higuchi, Takako Morita, Mikinao Oiwa, Hiroshi Fujita
    • 雑誌名

      Proceedings of SPIE Medical Imaging

      巻: 10575 ページ: 105752U

    • DOI

      10.1117/12.2293979

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] 乳房超音波画像診断支援のための画像解析技術の現状と将来2017

    • 著者名/発表者名
      村松千左子,藤田広志
    • 雑誌名

      超音波TECHNO

      巻: 29 ページ: 4-9

  • [学会発表] Similarity estimation for reference image retrieval in mammograms using convolutional neural network2018

    • 著者名/発表者名
      Chisako Muramatsu, Shunichi Higuchi, Takako Morita, Mikinao Oiwa, Hiroshi Fujita
    • 学会等名
      SPIE Medical Imaging
    • 国際学会
  • [学会発表] Mass detection on automated breast ultrasound volume scans using convolutional neural network2018

    • 著者名/発表者名
      Chisako Muramatsu, Yuya Hiramatsu, Hironobu Kobayashi, Hiroshi Fujita
    • 学会等名
      International Workshop on Advanced Image Technology
    • 国際学会
  • [学会発表] 深層学習を利用した全乳房超音波画像における腫瘤検出手法の検討2017

    • 著者名/発表者名
      平松祐哉,村松千左子,小林宏暢,原武史,藤田広志
    • 学会等名
      日本医用画像工学会
  • [学会発表] Deep Learningによる腫瘤の類似画像決定法の検討2017

    • 著者名/発表者名
      樋口峻市,村松千左子,原武史,藤田広志
    • 学会等名
      日本医用画像工学会
  • [学会発表] 深層学習を利用した全乳房超音波画像における腫瘤検出手法の検討2017

    • 著者名/発表者名
      平松祐哉,村松千左子,小林宏暢,原武史,藤田広志
    • 学会等名
      日本生体医工学会東海支部大会

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公開日: 2018-12-17  

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