研究課題
放射線技術の分野において,観察者実験による画像評価や診断能の視覚評価は非常に重要な要素技術となっている.本研究課題では,実験計画者(ヒト)の先入観(バイアス)が含まれない信頼性の高い観察者実験を実現するためのシステムを開発し,その有用性の検証を行うことを目的とし,(1)コンピュータによる提示症例の評価と提示順序決定の自動化,(2)大規模データを用いたオンライン上での観察者実験の実現.(3)コンピュータ支援診断(CAD: Computer-aided Diagnosis)システムを対象とした診断能評価の自動化を実現する.本年度においては,オンライン観察者実験の実現をめざしROCサーバを構築した.構築したROCサーバでは,観察者の応答の蓄積と解析を実現し,画像データと観察者応答をROCサーバに蓄積し一元管理するためのデータベースの構築を行なった.観察者から得られる応答データは一旦SQL(Structured Query Language)データベース上に保存蓄積され,その後,統計的解析が行われる.ROCサーバとクライアントプログラム間の通信に関する要素技術の開発を行い,MRMC(Multi-Reader Multi-Case)実験結果の収集と一元管理を行うシステムを構築した.また,DICOM(Digital Imaging and COmmunication in Medicine)通信に準拠した画像データの送受信部分を構築し,DICOMサーバからの画像取得を可能とした.クライアントとなる画像表示ソフトウエアは,これまでに開発したビューワソフトウエアを改良し実現した.
2: おおむね順調に進展している
当初計画したROCサーバと,それに係るオンライン解析システムを構築し要素技術の開発を行った.機能モデルとしての動作検証を行い良好な結果が得られた.こららの研究成果より「おおむね順調に進展している」といえる.
本年度のシステムの要素技術の開発成果を踏まえ,画像提示順の自動化などの機能を構築し,実験の信頼性・信憑性の向上をめざしたシステム構築を行う.次年度以降には,試作モデルの開発に着手し,(1)コンピュータによる提示症例の評価と提示順序決定の自動化,(2)大規模データを用いたオンライン上での観察者実験の実現.(3)コンピュータ支援診断(CAD: Computer-aided Diagnosis)システムを対象とした診断能評価の自動化を実現する.
当初計画していたコンピュータ購入に関する物品購入費が抑えられ,次年度使用額が生じた. 次年度に開発を行うシステムの試作モデル製作に向けて,高速な演算処理を行う計算機導入のための物品購入費として使用する計画である.
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